スズキの新型コンパクトSUV「フロンクス」に試乗。日本の道路にベストマッチ&スポーティーな走りで大ヒットの予感!
インドで生産されているスズキの「フロンクス」が、日本でも販売される。伊豆で開催されたプロトタイプの試乗会で、いま注目の新型コンパクトSUVの出来栄えを確かめてみた! 【写真たっぷり36枚】スズキ フロンクスの詳細写真はこちら!
新型フロンクスは日本にピッタリのサイズ!
インドで生産するホンダ「WR-V」は日本で発売されるやいなや人気沸騰中だが、インドといえばスズキ(現地ではマルチスズキ)のお膝元。そのインドで生産されている同じコンパクトSUVジャンルの新型モデル「フロンクス」が、日本でも輸入・販売されることになった。果たしてこのパターンは今後のブームになるのか。発売日を前に行われたプロトタイプの試乗会に参加して、その出来栄えを確かめてみた。 新型フロンクスはインドで生産され、同国をはじめ中南米や中近東、さらにアフリカでもすでに発売中の世界戦略車という立ち位置だ。試乗会が行われたのは、クローズドコースを持つ伊豆のサイクルスポーツセンター。駐車場にずらりと並んだフロンクスは、赤、オレンジ、ブラウン、シルバー、ホワイトの5色に加え、ブラックルーフの2トーン、ブルーとブラックがモノトーンという7色のラインアップ全てが取り揃えられていた。 公開された資料によると、フロンクスのボディサイズは全長3,995mm、全幅1,765mm、全高1,550mm、ホイールベースは2,520mmで、前出のWR-Vより一回りコンパクトなもの。2016年から20年まで同じ流れで日本でも販売されていた「バレーノ」と長さと幅がほぼ同じながら、全高だけが80mmアップしたボディサイズは日本の機械式駐車場にぴたりと入るもので、そこをしっかりと意識しているのは間違いない。また最小回転半径は4.8mを実現している。 エクステリアデザインはちょっと“濃いめ”。フロントはシャープな3連デイタイムライトの下側にふくよかな出っ張りを設け、その中に3個の楕円の灯火類を収めたもので、一目でフロンクスだとわかる個性的なもの。そこから続くサイドのデザインは、前後の樹脂製ホイールアーチの上段に2段のフェンダーが重なるような形状のボリューミーなもので、スズキでは「ダブルフェンダー」と呼んでいるそうだ。そしてルーフ後端はなだらかに下がるクーペSUVスタイルにまとめている。 デザインを担当した四輪デザイン部先行デザイン課の増田茜氏によると、「BセグメントのSUVライクなものはすでに市場にいろいろあって(WR-Vやヤリスクロス、ライズ/ロッキーなど)、フロンクスは後発なのでそこに埋没しないようしっかりと別の個性を出して、力強いけれども都会にも馴染むクーペスタイルにしてみました」とのことだ。 インテリアは、このクラスのクルマからは想像できないほどの力強さと上質感がある。シートはレザーとファブリックのコンビネーションとし、ショルダー部と膝回りをボルドーに、背面とお尻の部分をブラックにした2トーン仕様。アンコもたっぷり詰まっている。後席の頭上と足元は、身長170cmの筆者なら余裕の広さ。太いCピラー内に採光用の小窓があるのがいい。ドアの内ばりやダッシュボードも同じ2トーンで仕上げていて統一感があり、インパネのセンターにはゴツいシルバー塗装のフレームを取り付けてSUVらしい力強さを表現している。