ペレスがチームオーダーに不満を示したのは「完全に理解できる」とレッドブル首脳
レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、先週末に行われたF1スペインGP決勝でチームオーダーを出されたセルジオ・ペレスが不満を示したことは「完全に理解できる」と語った。 ●【2022F1第6戦スペインGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数 今季の第6戦となるスペインGPではレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝。ペレスも2位でチェッカーを受け、レッドブルがワンツーフィニッシュを達成している。 ■ペレスはチーム内での位置がわかっているはずだとギド・ヴァン・デル・ガルデ だが、メキシコ出身ドライバーである32歳のペレスは、スペインGP決勝でトップを走行していた時に、自分の後方を走行していたフェルスタッペンに順位を譲るようチームから無線で指示を受けると、それは「不公平」だと声を荒げていた。そして、その時ペレスは、この問題については後で個人的に話し合うことにすると無線でチームに伝えていた。 フェルスタッペンと同じオランダ出身の元F1ドライバーであるギド・ヴァン・デル・ガルデは、『Viaplay(ヴィアプレイ)』に「彼がすべてを内々に話し合うのはいいことだよ」と語り、次のように続けた。 「もし自分がペレスなら、(2023年の)契約を結びたいと思うだろう。そして、彼は今交渉を行っているところだ」 「あの時点では彼がナンバー1だと見ることもできる。だが、彼にはスピードが足りなかった」 「彼はチームの中での自分の位置がわかっているよ」 ■不公平だと考えても意味がないとクリスチャン・アルバース 同じくオランダ出身の元F1ドライバーであるクリスチャン・アルバースもヴァン・デル・ガルデと同意見だ。 「彼はいいレースをしたが、彼にはマックスのようなスピードはない」 「チームとしては、選択をしなくてはならないし、あまり時間を失うわけにはいかないんだ。マックスは今やF1世界選手権のリーダーだ。そして、それがチームとして望んでいることなんだ」 かつてミナルディ、MF1レーシング、スパイカーでF1を戦い、2014年には短期間ながらケータハムのチーム代表を務めたこともあるアルバースはそう語ると次のように付け加えた。 「ペレスが不公平だと考えるのは、僕はナンセンスだと思うよ」 ■ペレスの気持ちはよくわかるとヘルムート・マルコ 一方、マルコは、スペインGP決勝でのチームオーダーは、フェルスタッペンとペレスが「2つの異なる戦略」を取っていたことで出されたものだと説明している。 「チェコ(ペレスの愛称)が彼のタイヤセットでは完走できないのは明らかだったんだ」 母国オーストリアの放送局『ORF』にそう語った79歳のマルコは次のように続けた。 「そして、マックスの方が速いことは非常に明確だった」 「だが、彼が気を悪くしたのも理解できるよ。勝利が目の前にあったんだからね」 「あの時セルジオはそれを理解していなかったんだが、ワンツーを達成するためには、それが最善で最も安全な選択肢だったんだ」 「もし、彼から求められれば、ほかに解決策がなかったことを詳しく説明するつもりだよ。だが、もちろん、あの場ではついカッとしてしまうものさ」 「彼がすぐに『チームメートに抜かせるために道を譲るよ』と言わないのは、まったくもって理解できる。それでは本物のレーシングドライバーだとは言えないからね」 ■チーム内の雰囲気は「これまでになかったほどいい」とペレス 実際のところ、フェルスタッペンほどの速さはないにせよ、ペレスがフェルスタッペンのチームメートとしてチームの期待に応える働きをしているのは間違いないだろう。 F1関係者の中には、マルコはすぐにペレスに対して2023年の契約を結ぶ意向であることを伝えたに違いないと考えている者もいるようだ。 ペレスはスペインGP決勝後に「内部でいくつか明確にしなければならないことがあるけれど、僕は何も心配はしていないよ」と語り、次のように付け加えた。 「僕に言えるのは、チーム内の雰囲気と勢いは、これまでにはなかったほどだということだけさ」。