コロナ重症者受け入れ「1人出ていっても、すぐ次が…」 救急患者スペースもコロナに使用 名古屋大学病院
1人出ればまた次のコロナ患者がが入ってくる
命を救う医療の最前線。感染拡大が止まらない現状に医療従事者は不安を隠せません。行き場がない患者がこれから発生することを懸念しています。 「緊急事態宣言がでて、どのくらい行動が変わるのかわからないところはあります。しかし、少なくとも今は緊急事態なんだと、国民の皆さんが等しく共通認識を持つことで、感染防止のひとつのきっかけになるんじゃないかなと思いますね」(名古屋大学病院 救急・内科系集中治療部長 沼口敦医師) 名古屋市昭和区にある「名古屋大学医学部付属病院」は、35の診療科と1000を超える病床を持つ、この地方でも最大級の中核病院です。 名大病院では、主に重症患者の受け入れを行っており、現在も10床程度受け入れられるよう態勢を整えていますが…。 「いまの段階で10人。でも1人出れば、たいてい次の方が入ってくる、そんな状況ですね。なんとか駆使しながらやりくりしている状況」(名古屋大学病院 救急・内科系集中治療部長 沼口敦医師) 愛知県の重症患者は先月12日では27人でしたが、12日段階で51人、一カ月で2倍近くに増えています。 県内の重症者のベッドは103床あり、使用率は50%に迫っています。 「年末から正月にかけて感染した方が、数日前ぐらいから陽性になり始めていて、少しずつ重症の方が出始めるんじゃないかと思っています(名古屋大学病院 救急・内科系集中治療部長 沼口敦医師)
行き場を失う患者が出てくる可能性も
「成人式の日も、結構たくさん人出がみえたので、その人たちが来週頭ぐらいに発症して、さらに重症化するのがその次の週の1月末になっていくかなと。ちょっとまだまだ油断はできなさそうな印象を持っています」(名古屋大学病院 救急・内科系集中治療部長 沼口敦医師) 感染の拡大が止まらず、ひっ迫する医療現場を現状に不安が募ります。 「救急車をお引き受けする数はかなり減っていると思います、うちの病院は。救急車できた患者を診るスペースを、コロナの患者さん用に使ってしまっているので。救急車をお断りして本当に行く場所を失った患者さんが世の中に発生するようになると、誰がその方たちの診療をするのだろうと思います。行き場のない患者さんは、これから発生してどんどん押し寄せてくるということになる」(名古屋大学病院 救急・内科系集中治療部長 沼口敦医師)