【年末調整/確定申告】会社員が損をしない「3つの節税ポイント」をプロが解説
投資の儲けが非課税に! 節税メリット大のNISA活用
NISAは株式投資の利益が非課税になる制度です。年間上限360万円まで投資できる非課税の年間投資枠を利用でき、最大で1800万円まで投資できます。通常の株式投資では約20%の課税が発生することと比べると、節税効果により投資効果が高くなります。また非課税のため確定申告が不要である点もメリットです。口座開設は18歳以上から、投資枠から得た利益はいつ売却しても非課税です。 年間投資枠には「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類があり、組み合わせて投資できます。つみたて投資枠と成長投資枠の違いは対象商品と、買付方法にあります。つみたて投資枠の対象商品は投資信託で、決まった額を定期的に買い付けます。成長投資枠は、投資信託以外に国内外企業や新規上場企業の個別株など、幅広い商品を好きなタイミングで投資できま す。併用はもちろん、どちらか片方のみの利用もできます。
3つの節税ポイントあり! 自分で運用する年金・iDeCo
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自身で運用方法・掛金を選んで年金を運用できる制度です。 メリットは主に3つあります。1つ目は積み立て中に掛金の所得控除を受けられること。掛金の控除限度額は加入区分(被保険者の区分)により異なりますが、年間10万円~80万円程度の所得控除を受けられます。2つ目は、運用益が出た場合に非課税で再投資できること。運用中に出た利益は自動的に元本に足されますが、通常であれば約20%の課税が発生する利益を、非課税で積み増せるのです。3つ目のメリットには、受け取り時に退職所得控除または公的年金等控除を受けられることが挙げられます。 同じく確定拠出年金である企業型DCは、会社が福利厚生として提供するもの。所得控除できる点は同じですが、選べる運用商品などに違いがあります。なお、企業型DCとiDeCoは併用も可能です。 村形聡(ムラカタサトシ) 税理士、公認会計士。税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO。慶應義塾大学経済学部卒業。大手監査法人にて、幅広い分野にわたる会計監査に従事するかたわら、株式公開支援業務として様々な業種に対するコンサルティング業務にも従事。独立後は、「会社を元気にする税理士」として税理士業務を主軸としながら、ベンチャー企業の経営コンサルティング業務、M&A支援コンサルティング、企業再生に関するコンサルティング業務、最近では、マーケティングや事業承継に関するコンサルティングにも力を注いでいる。 村形聡 /イラスト 玉田紀子 協力:新星出版社 Fun-Life! Book Bang編集部 新潮社
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