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アベノミクス検証<前編> アベノミクスは日本経済をよくしたのか

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THE PAGE

 安倍晋三首相が辞任を表明したことで、安倍政権の経済政策であるアベノミクスもひとつの区切りを迎えました。アベノミクスは日本経済をよくしたのでしょうか。その成果について検証します。

 アベノミクスは、量的緩和策(金融政策)という第1の矢、財政出動という第2の矢、成長戦略という第3の矢という3つの施策を組み合わせるところに特徴がありました。当初、安倍氏は成長戦略として、構造改革を強く主張していましたが、その後、トーンダウンし、インバウンドやTPP(環太平洋パートナーシップ)協定など個別の業界支援策を成長戦略として位置付けるようになりました。財政出動についてもあまり強化しませんでしたから、結果的にアベノミクスは量的緩和策を基本にした経済政策になったと考えてよいでしょう。  量的緩和策は日銀が積極的に国債を購入し、市中にマネーを大量供給するというものです。これによって市場にインフレ期待を生じさせ、デフレ脱却を実現すると同時に、実質金利を引き下げて、企業の設備投資を増やそうというのがその狙いです。  経済政策を評価する場合には、企業や株式市場にどのような影響があったのかという視点と、国民生活が向上したのかという視点の2つが必要です。  企業や株式市場への影響という点では、アベノミクスは極めて大きな効果をもたらしました。量的緩和策で日本円が大量に供給された結果、日本円の価値は下がり、市場では一気に円安が進みました。円安が進むと、輸出企業の見かけ上の売上高や利益は増加しますから、アベノミクス以降、企業業績は堅調に推移したといってよいでしょう。2013年3月期から2019年3月期にかけて、資本金10億円以上の企業における売上高は10%以上も増え、当期利益は何と3倍にも増大しました。企業業績が拡大すると株価も上昇します。安倍政権が誕生した2012年の年末における日経平均は1万円前後でしたが、ピーク時には2万5000円に迫る勢いとなり、約2.5倍というめざましい株価上昇を実現しました。アベノミクスは企業の業績や株価という点では極めて大きな成果を上げたと評価してよいでしょう。一方、国民生活がどうなったのかという部分に視点を移すと、企業や株式市場とはまるで異なる光景がひろがっています。(後編に続く) (The Capital Tribune Japan)

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