【朝日杯FS 俺のチェックポイント】クラスペディア、JRA史上初の未勝利馬GⅠ挑戦に注目
朝日杯FSの「俺のチェックポイント」4日目は、大阪サンスポの片山和広記者がクラスペディアに注目した。小倉2歳S2着で賞金を獲得し、未勝利馬として初めてGⅠに参戦。そもそも能力は足りるのか? そしてさらに1ハロンの距離延長に対応できるのか? 史上7人目の開業年GI制覇がかかる河嶋調教師を直撃した。 クラスペディアがJRA史上初となる未勝利馬によるGI制覇に挑む。 ここまで3戦0勝ながら2走前の小倉2歳Sで2着に好走し、600万円を獲得。〝未勝利馬〟なのに賞金的にはオープン馬となり、GI挑戦という珍事に至った。グレード制が導入された1984年以降、そもそも未勝利馬がGⅠに出走すること自体が初めて。管理する河嶋調教師は2008年の鹿戸調教師(ジャパンC=スクリーンヒーロー)以来となる史上7人目の開業初年度のGI優勝もかかる。記録尽くめの快走はあるのか。トレーナーを直撃した。 「1600メートルがもつように調整してきました。地力はありますから」 前走の京王杯2歳S(5着)ではがっつりとハミを取っていた。前向きすぎる気性だけに、さらに1ハロン、距離が延びる点が最大の課題だろう。 「放牧先でもリラックスして走らせるように変更。帰厩したときは気が抜けすぎていないか?と思うくらいでした」 調整方法を工夫した効果は、中間の追い切りにも表れている。今週、1週前、2週前と入念に併せ馬で追い切ったが「内と外に馬を置いて、こすられても大丈夫でした。前に馬を置いても、我慢が利いています。前走の追い切り時と比べると、落ち着きがあると思います」と言う。 「マイルが厳しいと思ったら回避してもいい」というオーナーの理解があるなかでのGI挑戦は、マイル向きの調整が思惑通りにきている証拠だ。「開業年にGI挑戦できるのはありがたいことです。大人になってくれば短距離向きになってくると思いますが、(融通が利く)2歳の今なら」と期待する。 手綱を預かる小崎騎手にとっても、GI初制覇がかかる。「前走はパドックからうるさかった。輸送が長かったのが理由かも。今回は(輸送距離の短い)京都。力は足ります」と鞍上もヤル気十分。終わってみれば配当も記録的かも…。(片山和広)