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生ハム×メロン、大福×塩…異なる味の組み合わせで、おいしくなる理由は?

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オトナンサー

 料理の中には、「生ハムにメロン」「大福に塩」「酢豚にパイナップル」など、甘味の食材と塩味の食材を組み合わせたものがあります。本当においしいのか疑問に思う人も多い一方、実際に食べてみるとおいしいケースがほとんどです。  異なる性質の味を組み合わせると、なぜ、おいしく感じるのでしょうか。異なる味が組み合わさったときのメカニズムや味を組み合わせる際のコツなどについて、一般社団法人日本味覚協会の水野考貴さんに聞きました。

「対比」「抑制」「相乗」効果を活用

Q.そもそも、甘いものと塩気のあるものを組み合わせるとおいしくなるのは、なぜなのでしょうか。 水野さん「味の『対比効果』が影響していると考えられます。対比効果とは、2種類以上の異なる味を混ぜ合わせたときに、一方、または両方の味が強められる現象のことです。どちらか一方の味が強く、それに対して他方の味が弱いときに起こりやすいと言われています。 例えば、スイカに少量の塩をかけると、スイカの『甘さ』が際立ちます。いわゆる『塩スイーツ』もこの対比効果の影響が大きいと考えられます」 Q.「ケーキとコーヒー」「団子とお茶」というように、甘いものと苦味のあるものを組み合わせてもおいしく感じます。なぜなのでしょうか。 水野さん「これは味の『抑制効果』が影響していると考えられます。抑制効果とは、2種類以上の異なる味を混合したときに、一方、または両方の味が弱められる現象のことです。両方の味の強さが同じくらいのときに起こりやすいと言われています。 例えば、コーヒーに砂糖を加えると、甘味が増すというより苦味が抑えられることで飲みやすくなります。このように、甘いものと苦味のあるものの組み合わせは、抑制効果の働きによって、おいしく感じやすくなると考えられます」 Q.和食には、煮物のように甘いもの(砂糖)と塩気のあるもの(塩、しょうゆなど)を組み合わせる料理が多いように感じます。なぜ、料理に砂糖を使うのでしょうか。 水野さん「砂糖は甘味を加えるために使用します。砂糖(甘味)と塩(塩味)は正反対の味のように思う人もおられますが、そうではなく、それぞれ独立した味です。そのため、甘味も塩味も付けたい場合は、砂糖と塩を併用します。また、和食には、『さしすせそ』と言われる基本調味料があります。 『さ』…砂糖 『し』…塩 『す』…酢 『せ』…しょうゆ(正油) 『そ』…みそ 砂糖は具材をやわらかくする効果に加え、酸化を防ぎ、腐りにくくするという効果もあるため、古くから和食に使われてきた背景があり、現在でもなじみのある味として多く用いられていると考えられます。なお、甘味を加える際は砂糖の代わりに、みりんなどの甘味のある調味料を使用してもよいかと思います」 Q.甘味にさらに甘いもの、あるいは塩味にさらに塩気のあるものというように、さらに同じ性質の味を組み合わせるとどうなるのでしょうか。 水野さん「味や食材によって異なるため、一概に『おいしくなる』『まずくなる』と言うことはできません。 例えば、甘味の場合、砂糖と砂糖を組み合わせても砂糖の味が2倍になるだけですが、砂糖と果糖を組み合わせた場合は、砂糖と果糖では味の質がやや異なるため、複雑な味となり、おいしく感じることもあり得ます。塩味の場合は、純粋な塩味のある物質が食塩のみであるため、食塩と食塩を組み合わせても塩味が2倍になるだけです。 一方、同じ性質の味の中には『相乗効果』が発生し、よりおいしく感じられる組み合わせもあります。相乗効果の代表例は、うま味物質の組み合わせです。例えば、昆布だしに含まれる『グルタミン酸ナトリウム』と、かつおだしに含まれる『イノシン酸ナトリウム』を組み合わせると、それぞれ単独の場合と比べ、うま味が約10倍になります。 同様に、グルタミン酸ナトリウムと、シイタケなどに含まれる『グアニル酸ナトリウム』といううま味物質を組み合わせると、うま味が20倍以上になります。ただし、イノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムの組み合わせでは、相乗効果は発生しません。 また、甘味についても相乗効果を発揮するものがあります。高甘味度甘味料の『アセスルファムカリウム』は他の甘味料との組み合わせにより相乗効果を発揮しやすく、例えば、アセスルファムカリウムと同じ甘味料の『アスパルテーム』を組み合わせると、甘味度が約40%増強されることが報告されています」

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