新潟のルヴァン杯準決勝第1戦快勝の立役者は現役大学生。巧みな技術と熱い声で牽引した俊英CBの輝き
舞行龍ジェームズら先輩も称賛
[ルヴァン杯・準決勝第1戦]新潟 4-1 川崎/10月9日/デンカビッグスワンスタジアム 【動画】新潟×川崎ハイライト 初の決勝進出へ新潟がホームで川崎を4-1で下して先勝を果たしたルヴァンカップの準決勝第1戦、新潟の最終ラインにはひと際、輝きを放つ選手がいた。 背番号45、東洋大学に在学中で、新潟の特別指定選手である(2025年の加入が内定)22歳のCB稲村隼翔である。 左足を活かした巧みなビルドアップで、丁寧にボールをつなぐ新潟のサッカーを支え、ホームサポーターを盛り上げ、味方を鼓舞する声やジェスチャーで“熱”を発せる選手でもあった。 稲村は今季ここまでリーグ戦では10試合に出場して3試合で先発。大学との二足の草鞋を履きながら、大事な準決勝第1戦へ改めて新潟に合流していたという。 チームはリーグ戦のここ4試合で4連敗を喫し、計15失点。9月27日の32節では川崎にも1-5で敗れていた。守備の立て直しは急務な状況で、CBではトーマス・デンがワールドカップ・アジア最終予選へ向けたオーストラリア代表に選出されて不在。ここ4試合には出場していなかった稲村に先発の大役が回ってきた形であった。 すると若きCBは、71分にはセットプレーから1点を返されたものの、川崎の強力攻撃陣に対応し、4-1の快勝に貢献してみせた。 「大学生の選手がああやって声をかけてくれるのは頼もしいですし、後ろからああいう声があったからこそ、あれ以降の失点はなかった」とボランチの秋山裕紀が振り返ったように、最終盤も声でチームを盛り立てたという。 CBでコンビを組んだ舞行龍ジェームズも称賛する。 「すごくやりやすいです、2年前のキャンプかな、そこから来ていて、すごくポテンシャルのある選手。(伸びる)天井は高いと思う。本人もすごく聞いてくるし、スポンジのように全部吸収するので、本当に良い選手になると思います。足もとも上手いし、声も出せる。一緒にやっていて面白いですよ」 今後も大学のリーグ戦との並行で、4日後の準決勝第2戦や、決勝に進出した場合に、ピッチに立てるかは現状では未定だという。 過度な期待は禁物だろう。それでも川崎戦の快勝の立役者となった俊英は、興味深い選手と言える。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)