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スタ☆レビ根本要、配信ライブに警鐘!? コロナ禍ライブ事情に何思う:インタビュー前編

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MusicVoice

 40周年イヤーに突入したスターダスト☆レビューが7月22日、通算42枚目となるアルバム『年中模索』をリリース。アルバムは昨年リリースされた「うしみつジャンボリー」、2020年1月にリリースされた「ちょうどいい幸せ」、6月にアルバムリリースに先駆け配信された「偶然の再会」など今のスタ☆レビを感じられる全12曲を収録。MusicVoiceではアルバムについてのインタビューを実施。前編後編の2部構成で届ける。前編はコロナ禍により窮地に立たされている音楽、エンタメ業界について、配信ライブに警鐘を鳴らしたいと唱える根本要(Vo.Gt)に今の思いを聞いた。【取材=村上順一/撮影=冨田味我】

ミュージシャンがそこに酔い始めると危ない

――自粛という言葉が出た時、どんな気持ちになりましたか。  自粛がまるで強制のように語られるようになり、何をやっていいのか何をしちゃいけないのか、特にライブハウスが叩かれ出した時には、こりゃエンタメ業界は大変な状況になるぞ、と思いましたね。僕らはレコーディングの最中で当面のライブはなかったけど。“自粛警察”と呼ばれるものまで出てきて、居心地の悪さは感じました。 ――自粛期間中にはどんなことをされていたんですか。  ずっとイベンターの方たちに電話を掛けていたんです。イベンターというのは各地域ごとにアーティスト達のライブを取り仕切ってくれる会社なんだけど。何を話していたかというと、僕らエンターテインメント業界は夢や希望を売っているんだから「何月までのライブは中止です」ではなく「何月からはライブを再開します!」という宣言をできないかってことなんです。でも、当時はまだ野球もサッカーも開催出来ていない状況だったので、みんな「その宣言はまだ難しい…」と。なら配信とかどうなんだ、とかね。 ――試行錯誤されていて。  ACPC(コンサートプロモーターズ協会)という全国のコンサートを束ねている団体があって、その理事と呼ばれる人たちと年齢も近くて仲が良いので色々と提案させてもらいました。余談なんだけど、僕は電話しながら歩く癖があるみたいで、自宅にいたのにスマホの歩数計を見たら5000歩も歩いていた(笑)。 ――普通に外出しているとき並みに歩かれてますね(笑)。さて、その中でどんな考えが生まれたのでしょうか。  多くの団体が国に支援を求める中、僕はまず音楽業界がひとつに纏まるべきだと思いました。そして、ミュージシャンはまだ多少の余力はあるけど、PAや照明などのライブスタッフは全く仕事がない。まずはそこから支援すべきだなと。  もちろん国の支援は大事だけど、やっぱりミュージシャンやアーティスト自らが動かないとダメだと思ったんです。そういう団体をミュージシャンが作って、さらに直接ファンにも働きかける、その方が浸透度も高くなりますよね。企業色や事務所の力関係で何かが動くより、やっぱりミュージシャン自身がファンの人達に訴えて、音楽業界全体を支援できるような団体が必要なんです。 ――その活動のひとつが杉山清貴さん、KANさん、馬場俊英さんと一緒に6月に行われた配信ライブ『スタッフ応援ライブHELP! 4人はアイテル』だったんですね。スタッフ支援という愛のある企画で感銘を受けました。  まだ、それぐらいしか出来ていないんだけどね。僕らミュージシャンにとって一番近くにいるスタッフは照明やPAなんです。彼らは一本一本の仕事でお金をもらっていて、僕らがステージに立たない限り仕事が出来ないんです。 ――ちなみに根本さんは配信ライブというものに対して、どのように考えていますか。  怒られるかもしれないけど、僕は配信ライブについて早めに警鐘を鳴らしておきたいと思っています。配信ライブのチケットはおそらく平均3000円ぐらいで、ライブチケットに比べたら割安だと思うんだけど、やっぱり高いですよ。もちろん会場代や配信のシステム費用は必要ですけど、通常のライブと比べると警備もいらないし、最終的には視聴者側のシステムに委ねているので、自己責任になってしまう部分もあるんです。  僕らは生でやる時は、座席の近い遠いはあるけど、そこにいる2000人のお客さんに同じように楽しんでもらえるように努力します。でも、配信だと意識するのはカメラだけ。皆さんもテレビで観るのとそんなに変わらないですよね。  だけど、拍手が聴こえない(笑)。これは大問題です。やっぱり配信にはライブで感じる充実感が少ないんです。なのに収益はそこそこ見込める。ソールドアウトもないし、全国どこからでも観られる。これは僕の持論なんですけど、アーティストはちょっと貧乏なくらいがいいんです(笑)。身の丈にあった収益の方が次も頑張れるし、身の丈にあった活動の方が音楽を楽しくやれるんです。例えば、1年に一度のライブで1億円収益があるからといっても、僕なら「1回100万円の収益で100回ライブをやらせて欲しい」提案するでしょう。それこそがライブバンドとして活動している僕らの気概です。 ――ファン心理としては多くライブをやっていただける方が嬉しいです。  杉山君たちとやった『スタッフ応援ライブHELP! 4人はアイテル』は、ありがたいことに5000人ぐらいの方が観てくれて、1000万円くらい収益があったんですけど、僕らの規模だと一回のライブで1000万も入ってくるなんてなかなかないです。ミュージシャンがそこに酔い始めると危ないなと思っていて…。僕は今こそミュージシャンが「配信ライブじゃ物足りない!」って声をあげるべきだと思うし、皆さんもチケット代を見て「これ、高すぎるんじゃない?」と監視して欲しいんですよね。僕としては配信も含めつつ、ミュージシャンにとってのライブの重要性を今は声高に伝えたいです。

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