新型コロナ専門家会議 脇田座長らが会見(全文2)実効再生産数が明確に減少
北海道モデルといえるものが成功
なのでこれは北海道民の皆さまにはもう、行動を自粛いただいて、不便をお掛けして大変申し訳なかったと思っていますが、地域の医療現場だったり、あるいは地域保健の皆さんが寝ずに、皆さん、努力していただいたことのたまもので、北海道モデルといえるものが成功したものと感謝しています。もちろんまだ札幌を中心として感染者の、2次感染の伝播のチェーンが切れている状態にはありませんから、一切予断を許さない状況ではあるのですけれども、緊急事態宣言を発出後には実効再生産数が明確に減少したということが見て取れました。 図2をご覧ください。ページでいうと5ページです。同様のことを日本全国で見た場合というのが、この図2に相当します。黄色のバーは、再びですけども、感染時刻を逆計算によって推定したものです。青の線が実効再生産数。分かりやすいように点線を引いていて、それよりも、横軸と平行な点線よりも実効再生産数が上であると感染者数が増加傾向にあり、それより下であると減少傾向にあるということが見て取れるんですけれども、これまでは1の値を挟んで、1を超えたり下回ったりというのを繰り返してきたんですけれども、3月の上旬から1を下回る傾向が見られます。
大規模流行が起こる可能性も高い
これはもしかすると一定の行動変容の影響があったのではないかと考えられるものです。1を下回っていて2次感染者数が減っている。大規模イベントの自粛であったり、皆さんが外出を自粛して接触を減らす行動があったり、地域保健の皆さんが接触者の追跡調査を頑張って、医療現場でも患者数が増える中で、皆さん、頑張っていただきました。それで1を下回るという状態で、減少の兆しが見られるということです。 しかしながら、黄色のバーと一緒にある、灰色から黒に見えるような棒グラフを見ていただけるんですけれども、これは国外から帰ってきた感染者です。最近になって欧州、米国、それから東南アジアで感染が拡大していて、それらの地で感染をした者が、旅行者であったり、あるいは法人である場合があるんですけれども、日本に帰国をすることで、また新たな流行が生じるという危険が高まっていて、むしろ以前よりも大規模流行が起こってしまう可能性が、このまま丸腰で受けてしまうと大変高い状況にあると考えて憂慮しています。 次のページをご覧ください。ページ6の図3をご説明します。これも公表データを基に、各都道府県別で感染源が不明の感染者数に関して、その動向を検討したものです。一番上の図が2月27から3月4日までに報告された感染者、真ん中が3月5日から3月11日までに報告された感染者、一番下が最も最近の1週間です。3月12日から3月18日までに報告された感染者で、いずれもリンクがない、感染源が不明の人だったと、公表データをベースにすると、そう報告されていた人で、縦軸っていうのは、全ての都道府県でこのデータというのの和を取って100%になると、それぞれの週で計算したときに、それぞれの都道府県が何%分、その感染者がいたのかというものを表します。