北京五輪女子アイスホッケーで“旋風”スマイルJの1次リーグ1位突破の価値とは?見えてきたメダル可能性「ここは通過点」
中国との第3戦をペナルティーショット・シュートアウトの末に落としたものの、スウェーデンとの初戦を3-1で、デンマークとの第2戦を6-2でともに快勝。チェコ戦の勝利をもって、最初の目標を突破した大澤が前をみすえた。 「メダルを目指して4年間やってきたので、まずは準決勝に駒を進められるように、すべてを出し切って全員で戦いたい」 もちろんアメリカとカナダとの対戦を回避できたからといって、ベスト4進出が約束されたわけではない。グループAの5ヵ国との通算の対戦成績は2分け27敗。2つのドローはいずれも5位のスイスが相手で、準々決勝での対戦が決まった、平昌五輪を含めて銅メダルを3度獲得しているフィンランドにも一度も勝てていない。 それでも自分たちの力で、突破できる確率を上げられた。妹の秦留可の2ゴールをアシストした守備の大黒柱、床亜矢可(27、SEIBUプリンセスラビッツ)が力を込める。 「ここ(1次リーグの1位突破)はチーム全体として通過点だと思っている。メダル獲得を目指してきたなかで、まずはスタートラインに立てた。ここから先は『惜しかったね』ではなく、4年間頑張ってきたものを必ず形にしたい」 久保は3度目の五輪を集大成と考えている。 大澤と藤本はコロナ禍を考慮して海外でプレーする道を封印し、あえて無所属となって地元の男子高校チームなどにまじって練習を積んできた。五輪種目に採用された長野大会から24年。女子アイスホッケーに携わってきたすべての人たちの思いを背負って、スマイルジャパンが大一番に挑む。