北京五輪女子アイスホッケーで“旋風”スマイルJの1次リーグ1位突破の価値とは?見えてきたメダル可能性「ここは通過点」
オーストリア、フランス、ドイツとの世界最終予選をすべて快勝で勝ち抜き、出場権を得た前回の平昌五輪。最終的には8チーム中で6位だったが、1次リーグの韓国・北朝鮮合同チーム戦、そしてスウェーデンとの順位決定戦初戦で待望の勝利をあげた。 ソチ五輪まで指揮を執った飯塚祐司監督が平昌五輪後に復帰。追い求めてきたスタイルにパスワークやスティックコントールの技術などをさらに上乗せし、課題だった得点力のアップを目指したスマイルジャパンは、2020年4月の世界ランキングで最高位となる6位に浮上。北京冬季五輪への出場権を自動的に獲得した。 この瞬間から1次リーグの1位突破が、新たな目標として掲げられた。 五輪の女子アイスホッケーは、世界ランキングの上位がグループAに、下位が同じくBにそれぞれ振り分けられる。北京大会の出場は10ヵ国で、ランキングで5位までのアメリカ、カナダ、フィンランド、ロシア、スイスがグループAに名を連ね、日本はグループBで開催国中国、世界最終予選を突破した3ヵ国と同組になった。 しかも決勝トーナメントへは、グループAの5ヵ国が無条件で進出。グループBの上位3ヵ国とたすき掛けで、具体的にはグループAの1位-グループBの3位、両グループの2位同士、グループAの3位-グループBの1位、グループAの4位-5位が対戦する。 世界の勢力図では、アメリカとカナダが突出している。過去に五輪と世界選手権で両国以外の優勝国はなく、優勝回数は五輪でカナダ4、アメリカ2、世界選手権でカナダ11、アメリカ9となっている。北京五輪でも予想通りに圧倒的な実力差を見せつけ、直接対決を制したカナダが1位、アメリカが2位で1次リーグをそれぞれ突破した。 メダル獲得という目標を成就させるためには、準々決勝で2強と対戦するケースは絶対に回避したい。ゆえにグループBの1位突破が至上命題となり、最も実力が拮抗する世界ランキング7位のチェコ戦が最初のヤマ場と位置づけられた。