那須川天心との大晦日マッチをキャンセルしたメイウェザーが「話が違う」と交渉舞台裏を暴露
衝撃ニュースをメイウェザー自身がインスタを使って暴露した。プロボクシングの元5階級王者のフロイド・メイウェザー・ジュニア(41、アメリカ)が8日、大晦日にさいたまスーパーアリーナで行う予定だった天才キックボクサー、那須川天心(20、TARGET/Cygames)との異種格闘技マッチをキャンセルする考えであることをSNSのインスタグラム上で明らかにした。 メイウェザーは5日、東京の六本木ヒルズクラブで記者会見を行い、那須川との大晦日異種格闘技マッチのリングに立つことを自ら明言していたが、インスタによると「決して那須川天心との公式な試合に同意したわけではない」という。 「私は日本への旅をするまで彼(那須川)のことを聞いたことはなかった。最終的に私は『RIZIN』側が選んだ相手との3分3ラウンドのエキシビションマッチに出場するように頼まれていた」と暴露。 会見にも同席したONE Entertainmentのブレント・ジョンソンからは、当初、まったく違った話を聞かされていたという。 「高額料金で富裕層を集めた少人数の人たちの集まりでエキシビションをするということだった。このエキシビションは公式の試合として発表されることも、世界中に放送されることもない。エンターテイメントとしての“スペシャルバウト”ということだった」 しかし、記者会見での発表内容はまったく違っていた。 「だが、私がチームと記者会見に出席すると、このイベントは、完全に新たな方向に逸脱していた。私は、そこですぐに降りておくべきだった」 メイウェザーは、インスタ上で試合を期待していたファンへ謝罪した。 「この記者会見で発表された間違ったインフォメーションについてファンに心から謝りたい。私が同意も承認もしていなかった話を不意討ちされたのだ。この記者会見のために世界各地から来たファンや報道陣に対して、大きな問題を生み出してしまうことをためらったんだ。本当に申し訳ない」 そして「私は前例のない金額を稼いだ引退したボクサーだ。今後、世界規模で、講演をして、時々、ちょっとしたエキシビションをするだろう」とまとめた。 会見ではルールについては一切発表されず、メイウェザーも、その質問に対して言葉を濁し続け、10キロ以上違う両者の体重の問題をどう解決するかなど違和感はあった。 榊原信行実行委員長は「スペシャルスタンディングバウトになる。公式な記録に残る試合ではないが、真剣勝負の果たし合いになる」と語っていたが、米国のボクシング専門サイトの「ボクシングシーン」が、この日、メイウェザーのインスタ内容を報じた記事の中でも「3分3ラウンドの伝統あるボクシングルールで行われるエキシビションで、グローブはボクシング用ではなくMMA用のものを使うことになっていた」と暴露していた。 言われてみればメイウェザーは記者会見で「最高のエンターテイメントをお見せする」「猪木―アリは最高のショーだったが、それ以上のショーを見せる」などと発言していた。最初から真剣勝負のつもりはなく、ちょっとしたエキシビションで小遣いを稼ぐ気持ちだったのが、どうも大掛かりな舞台設定となり、世界のメディアが次々と報じたことで、“これはやばい”と困惑して、後戻りできるうちに、早々にキャンセルの考えがあることを発表したのかもしれない。 「RIZIN」側は、まだ公式コメントを発表しておらず、メイウェザーが暴露した中身が、真実かどうかの検証はできていない。しかし、戦う当事者が、ここまで語った以上、那須川との大晦日の異種格闘技マッチが行われる可能性はないだろう。一番のショックを受けている被害者は、すべての不利な条件を受け入れてメイウェザー戦を戦う覚悟をしていた那須川かもしれない。