今年もM-1の季節がやってきた! 決勝進出9組の傾向と対策をチェック!【前篇】アキナ・ウエストランド・おいでやすこが・オズワルド
M-1準決勝を会場で見届けた編集者・ライターの斎藤岬が、2020年度の決勝進出9組をわかりやすく解説する。その前篇。 【すべてのコンビの写真と詳細をチェック!】
エントリー数史上最多! 今年はどのコンビを応援する?
“漫才頂上決戦”──その名を冠する大会が、今年も幕を開ける。「M-1グランプリ2020」が今月20日(日)に放送予定だ(テレビ朝日系、18:34~)。2001年に始まり、2010年に一度幕を下ろした大会が再開して今年で5回目。この5年でエントリー数は右肩上がりに増加しており、今年は5081組を記録した。 2018年の霜降り明星のM-1優勝と、同年のキングオブコントでのハナコの優勝を引き金に、「第7世代」という言葉をメディアで見ない日はない。最近では、いっとき減少していたネタ番組や芸人メインの純バラエティ番組が復活するなど、お笑いブームが再燃しているように見える。YouTubeチャンネルを開設する芸人も数多く、若手が台頭する機会や場が増えているのだ。 昨年のM-1グランプリ決勝も、そうした流れをさらに後押しするものとなった。決勝10組中7組が初出場という数字は、大会史上最多である。明言はされていないが、予選審査の傾向が変わったことを感じさせるものだった。そして見事、初出場のミルクボーイが史上最高点を更新し、優勝を遂げた。 日本では以前から、景気が悪くなるとお笑いが流行るという説がある。今年は新型コロナウイルス感染拡大による未曾有の社会状況もあり、テレビやYouTubeで楽しめる芸人たちによるコンテンツを求める風潮がより強まったはずだ。 そんな中で開催される今年のM-1グランプリは、どんな様相を見せるのだろうか。本稿では、12月2日(水)に行われた準決勝を突破した9組を紹介する(五十音順)。年に1度の大イベントを楽しむための参考になれば幸いだ。
アキナ…山名文/秋山賢太
所属:吉本興業(大阪) 結成:2012年 結成年こそ遅いが、それぞれ芸歴18年目(山名)と19年目(秋山)のベテランであり、NHK上方漫才コンテストやNHK新人お笑い大賞のほか、数多くの賞レースで結果を残している関西の雄。M-1の決勝は2016年以来となる。 昨年はキングオブコントに集中するためにM-1には参加していなかった。逆に、今年はキングオブコントには参加していない。このことからもわかるように、彼らは漫才とコントの二刀流なのだ。高い演技力を活かし、漫才も「漫才コント」のスタイルが多い。 山名の声を活かした緩急の効いたボケとキツすぎないツッコミが魅力で、常に安定した笑いを巻き起こす。十分すぎるほどの実力者だが「今年は(自分たちの)漫才が始まった気がする」(M-1オフィシャルサイト「直撃!インタビュー」)とあらためて語っており、さらなる飛躍を目撃できそうだ。