メルカリで不正利用→“解決済み”のはずが5年越しの請求に被害者がく然…本社対応が一変、異例の展開
再度問い合わせると「事務局の処理に不足」と一転して不手際を認めた
ところが、5年もの歳月がたち、驚がくの展開に。今年7月にある法律事務所から請求書が届き、この時点でメルカリから別会社への債権譲渡が行われていることを知り、ここで初めて請求金額を把握することに。「別会社の法律事務所から届いた通知によると、元金が『4万9866円』、損害金が『1万3635円』となっております。5年間分の利息が含まれているかどうかは分かりませんが、損害金がこれに当たると思われます。また、こちらには利用日が記載されており『190424』となっております。この通知により、初めて不正利用された日時を知りました」。 年月を経ての支払い要求。法律事務所側からは何度か督促状を送っていると伝えられたが、「実際にこれまでに私のもとに請求書が届いたことはなかったです。住所が実家であるため、気付かないということも考えられません」。解決済みだと考えていたののさんは再び混乱に陥った。 困り果てて消費生活センターに相談。メルカリ側に5年前のメール内容を開示するなどして連絡を入れたが、返答がない状態が続いた。 過去の借り入れや返済状況などの記録である「信用情報」は、お金に関する個人の生活に大きな影響を持つ。現状は履歴には残っていないが、このまま解決しないと、信用度が低下してしまう可能性が出てきてしまった。 ののさんは意を決して、「心が折れそうに」なりながらも、弁護士を立てることにした。弁護士に相談しながら今後の方針の検討を進めた。ただ、あくまで債権譲渡された先の別会社の法律事務所との交渉になり、歯がゆい思いを抱えていた。「いつかまた同じような通知が来るかもしれない」という不安もつきまとっていた。 メルカリを巡っては、売買での返品を巡るトラブルがSNS上で相次いで報告され、問題化。同社は今月17日に、「メルカリお客さまサポートの方針と体制の見直し・強化について」とする声明を発表。不正利用者への対策を強化することなどを打ち出した。 ののさんはこれを受けて、再度メルカリ側に問い合わせを行った。すると、これまで動かなかった山が、一気に動き出したのだ。 メルペイ事務局名義で返信が寄せられ、「事務局で改めて確認したところ、過去に覚えのない請求についてお問い合わせをいただいた際に、事務局の処理に不足があり、お客さまへ債権譲渡の通知が行われてしまっていたことを確認いたしました」とし、対応に不手際があったことが言及された。一転して、「不正取引により発生した債権」と認める内容だった。 そのうえでメルカリ側は、債権の譲渡先に対して、債権譲渡対象から除外することを求め、督促を停止するための連携を行っていることを明かした。 さらに、凍結されていたアカウントについて「利用制限を解除」したことが伝達された。