「私だけおじいちゃんを知らない」寂しがる8歳に伝えた命のバトン 孫2人が髪を3年伸ばした理由
「おじいちゃんのように病気で苦しむ人のため、貢献したい」-。9年ほど前にがんで亡くなった祖父の國場幸一さん=享年67歳、うるま市=を思い、孫で高校1年の勝連陽菜(はるな)さん(16)と小学2年の金城叶来(くらら)さん(8)が、病気や事故で髪を失った子どもに自分の髪を贈るヘアドネーションをした。祖母のリエ子さん(69)は「手入れなど大変な中、頑張って伸ばしてくれた。そうした気持ちが育ってくれてうれしい」と感激していた。 リエ子さんによると、幸一さんは大腸がんを発病後、自宅や病院で約10年間闘病を続けたが2013年2月に亡くなった。 抗がん剤を使用した治療もしていた。陽菜さんは「治療でおじいちゃんの髪が薄くなるのも身近で見ていた。ヘアドネーションを知って調べる中で、同じように困っている子どももたくさんいると知り、やりたいと思った」と話した。 一緒に髪を伸ばした叶来さんは、幸一さんが亡くなって約8カ月後に生まれた。「私だけおじいちゃんのことを知らない」と寂しがることもあったが、リエ子さんは幸一さんの人柄やエピソードを話し「おじいちゃんからあなたに命のバトンがつながったんだよ」と伝えて励ましたという。 約3年間髪を伸ばした2人は、12月28日にうるま市内の美容室で髪をカットした。叶来さんは「暑くて切りたいと思ったこともあったけど、我慢しておばあちゃんとの約束を守れた。すっきりしてうれしい」と晴れやかに話した。 陽菜さんはカットした髪を手に笑顔を浮かべ「きれいな髪を届けたいとケアを頑張ってきた。手入れは大変だったが、また伸ばして次は高校卒業の時に寄付したい」と語った。