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【千葉魂】通算100S、思い浮かべた家族の顔 「野球が大好き」益田の支えに

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千葉日報オンライン

 記録達成の瞬間、思い浮かべたのは妻の顔であり、3人の子どもたちのことだ。益田直也投手が8月7日のバファローズ戦(京セラD)でプロ通算100セーブを達成した。100ホールドを記録した選手の100セーブ達成はプロ野球通算5人目。偉業達成を決めると帽子の裏側をじっと見つめた。帽子のつばの裏側には妻と6歳の長男、4歳の長女、生まれたばかりの次男の名前のイニシャルが書かれている。  「100件以上のお祝いの連絡をいただきました。もちろん、皆さんうれしかったですけど、家族からの連絡が一番うれしかったです。いつも家族にバックアップしてもらっている。自分の仕事を理解してもらっている。感謝しかないです」     □     ■     □  益田は偉業達成の日の事をそう振り返った。プロ野球は月曜日を除くほとんど毎日、試合が行われる。益田が任されるストッパーは勝ちゲームではほぼ毎回、登板機会が巡ってくる。ここを抑えれば勝ちという最終回の緊迫した場面。抑える時もあるが、打たれる日だって時にはある。打たれた時、周囲は「切り替えろ」と助言する。それはもちろん分かっている。でも人間の感情はそう簡単にコントロールできるものではない。必死に切り替えようとするが悔しさはこみ上げてくる。やっぱり、なかなかできない。  「次の日になったらさすがに少しは気持ちが切り替えられますけど、自分はなかなかできないタイプ。寝れないこともある。イライラしてムシャクシャしてムッとしてしまう」  結婚当初、家に野球を持ち込まないと決めていた。だから打たれた時も、家に帰るまでに必死に気持ちを切り替えた。それは切り替えたというよりも、そのように装っていた。夫が無理をしているのが分かったのであろう。ある日、妻に言われた言葉を益田は忘れない。「(家に)持ち込んでもいいよ。全然いいよ。私、野球好きだから」。それからは家に帰ってその日の試合の話をするようになった。妻が愚痴の聞き役になってくれた。気持ちが随分と楽になった。  「嫁が仕事の事を理解してくれているので本当に助かっています」と益田。  子どもたちも野球に熱中している。とりわけ小学校1年になる長男は誰よりも熱い父親のファンだ。打たれて帰ったある日、妻から長男が泣いていたと教えてもらった。そこまで心から応援してくれていることがうれしかった。そしてそんな息子を悲しませてはいけないと気持ちを強くした。  「打たれるたびに悔し泣きをするみたいです。マリンに応援に来た時もビジターでテレビ観戦する時も。嫁も子どもたちも本当に野球が大好きで熱いですよ」     □     ■     □  100セーブを達成する直前の8月4日のバファローズ戦(京セラD)で益田は1点リードの九回に登板。守備の乱れもあり同点に追いつかれてしまった。試合後、ホテルに戻ると自宅のテレビの前で長男が泣いて悔しがっていたと妻が教えてくれた。自分の分まで悔しがってくれたと思うとふと冷静に戻ることができた。不思議と気持ちを切り替えることができた。家族の存在とはそういうものだ。  そんな益田が100セーブ達成試合と同じくらいうれしかったセーブがある。7月31日のイーグルス戦。結婚記念日の事だった。  「きょうは結婚記念日だったので勝ててよかったです。そして自分もセーブを挙げることができて良かったです」  益田はそう笑顔で話をすると勝利の余韻が残る球場を誰よりも先に出て行った。愛する家族が待つ自宅に帰り記念日を祝うために。益田もまた良き夫であり、父である。家族の喜ぶ顔を見るためにこれからもセーブを重ねる。 (千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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