朝ドラ出演、会社経営…“生真面目な長女っぽさ”に悩んだ過去。小林涼子自身が語る「わたしの素顔」
朝ドラ「虎に翼」で、日本初の女性弁護士のひとりとなったヒロイン寅子の先輩・久保田聡子を演じた小林涼子さん。彼女は俳優業をしながら、循環型農園の運営やアート事業などを手掛ける会社「AGRIKO(アグリコ)」の社長という顔も持っています。 【画像】農園で育てているレモンバーベナグラスの前で。 会社経営をすることで「社会」について考えられるようになったと語る小林さん。それは、俳優業にも良い効果をもたらしたようです。
就活もしていない私が、会社を経営することになって
――現在、俳優業と会社経営という二つのことをやるようになって、気付いたことはありますか? 小林 今思えば、以前は社会について考える機会は少なかったように思います。役については掘り下げていたんですけど、その役の人物が置かれている社会がどんなものなのかを考えることは少なかったように思います。でも、会社を経営するようになってからは、その背景にも思いをより馳せるようになりましたね。 私は就活もしたことがないし、就職もしていない。俳優業だけをやってきたので、なかなか社会について知ったり考えたりする機会が人生でも少なかったんですけど、会社を経営するようになって、社会の流れや、様々な仕事、農業においても生産者さんがいて、消費者の方がいて、その間を繋ぐ様々な方がいて、そのおかげで自分たちも豊かに生活できていて……ということにも想像が及ぶようになりました。そして、それぞれの方たちの労力を考えると、値上がりしていると言われる野菜も高いものではないのかもしれないなとか、様々な立場や角度から考えられるようになりました。 そうやって、いろんなことが想像できるようになると、「虎に翼」で演じた久保田先輩が置かれていた時代とか、その時代に法律を学ぶということの意味、そして彼女が法律の勉強ができた背景も見えるようになったし、その裏で、その時代に法律家を志せなかった人たちもいるだろうとか、そんなことにも想像が及ぶようになりました。 ――よいタイミングで「虎に翼」に出会われたんですね。 小林 「虎に翼」で描かれていることって、その当時だけの話ではないんですよね。彼女たちを苦しめてたことは、現代に生きる私達のことを、いまだに苦しめていたりすることもあるわけです。一方で前進していることももちろんありますし。俳優業をやっていく中で、新しい視座ができたことが、起業してよかったことだと思います。