日本への報復としての北海道侵攻は「非現実的」 その背景にあるロシア軍の現況
ロシア政治に詳しい慶應義塾大学教授の廣瀬陽子が4月8日(金)、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』に出演。ロシアの国家議員が主張した「北海道の主権はロシア」という暴論について、独自の見解を述べた。 【写真】ウクライナ・ブチャで発見された遺体が入れられた袋
ロシアのウクライナ侵攻に対して、日本も制裁措置を次々と打ち出す中、ロシアの国会議員から、(日本への報復措置として)「北海道の全権はロシアにある」という発言が飛び出した。この暴論とも言える発言に対して、ロシア・東欧政治の専門家、慶應義塾大学教授の廣瀬陽子が解説した。
廣瀬はまず「第二次世界大戦の後、ロシア(ソ連)のスターリンが北海道の半分をとろうとしていたという説はあったが、今回のウクライナ情勢の苦戦から見て、それは非現実的」と指摘した。続けて、「今、ロシアが仮に北海道にということになれば、アメリカも日米同盟を発動して、米軍が入ってくる可能性が高い。そういうところに手薄な極東の軍をロシアが回せるとは思えない。軍事的にロシアも火がついているので、そういったラディカルな発言が出てしまったのかもしれないが、現実味は薄いと思う」と専門家の立場から解説した。