妻と6年別居→離婚した夫が手にした幸福な人生 採用面接に来た女性とつながった意外な縁
結婚したいけれど相手が見つからない、ご縁がないと嘆く人の話を聞くことが多い。共通するのは「今までの生活やこだわりを捨てられないこと」だ。 こだわりは、居住地域、会社での立場、相手の年収や学歴、生活習慣、ペットなど多岐にわたる。大事な価値観まで捨てる必要はないけれど、手放してもかまわないポイントになぜか固執している人が少なくない。 その姿は軽快さに欠け、お互いに気分良く暮らせるために折り合いをつけようという意思も伝わりにくい。良縁を自ら遠ざけている、と筆者の目には映る。
■華やかな経歴を持つ浩二さん 前妻と6年間も別居して離婚した2カ月後に現在の妻である由里さん(仮名、38歳)と付き合い始めたのは、オシャレな黒縁メガネが印象的な水谷浩二さん(仮名、46歳)。その2カ月後には同棲を始めてすぐに婚約し、由里さんの妊娠がわかり、今年1月に結婚。5月に生まれた息子を一緒に育てている。 「チンタラ離婚して、さっさと再婚して、という思ってもみなかった人生になっています。以前の私は物質主義でした。一人暮らしの部屋には酸素カプセルやLG Stylerまでありましたから。モノで寂しさを埋めていたのかもしれません」
今はモノを処分し、養蜂が趣味だという妻とのシンプルライフを楽しんでいる浩二さん。インタビュー取材場所として指定してくれたのは「サステナブル」がテーマだというカフェ。東京の隅田川沿いにあり、観光客なのか外国人客も多い。ヴィーガン向けだというモーニングセットをいただきながら話を聞いている。 浩二さんは「開成高校から慶應義塾大学に入学し、 日本を代表するある大企業に就職、成績のいい営業マンとして活躍した」経歴を細かく教えてくれる。自慢したいというよりも、サービス精神が強い人のようだ。念願の海外駐在も経験し、33歳のときに同業界の外資系企業からヘッドハンティングされたという。現在は10人ほどが所属する日本支社を率いる立場にいる。そう言えば、浩二さんが着ている黒いジャージも高級そうだ。若手経営者の休日ファッションにふさわしい。