NY市場サマリー(18日)ドル/円上昇、利回り低下 S&P・ナスダック上昇
<為替> ドル/円が上昇した。日銀の植田和男総裁の発言が、金融引き締めの時期について曖昧な態度を示したと受け止められた。 植田総裁は18日、2026年度までの見通し期間後半の見通しが実現する確度が「ある程度高まるという自信」が得られれば次のステップに移ると述べた。 これは米大統領選でトランプ氏が勝利して以来、同総裁が金融政策について述べた最初のコメントだったが、検討が必要なさまざまな「不確実性」を理由に、12月の政策決定会合で利上げが行われるかどうかについてはヒントを示さなかった。 ドル/円は0.17%高の154.6円。 市場は12月18─19日の次回政策決定会合で0.25%ポイントの利上げが実施される確率を約54%と織り込んでおり、植田総裁の発言前とほとんど変わっていない。 ドル指数は0.5%安の106.20。ユーロ/ドルは0.54%高の1.0598ドル。 ドル指数は先週、107.07と1年以上ぶりの高値を付けた。トランプ次期米大統領の下で関税が引き上げられ、インフレが加速し米連邦準備理事会(FRB)による利下げペースが鈍化するとの見方から、ドルはこのところ上昇している。 ポンドは0.47%上昇して1.2674ドルとなった。 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.82%下落して9万0114ドルとなった。 NY外為市場:[USD/J] <債券> 国債利回りがやや低下した。FRBの今後の政策運営のほか、共和党が議会の上下両院を掌握したことを受け、トランプ次期大統領の政策を見極めようとする動きが続いている。 米債券市場では、11月5日の大統領選前から共和党が圧勝するとの見方を受けて国債利回りが上昇。ただ、実際に共和党が圧勝してからは、どのような政策が実際に実施されるのか見極めるようとする動きの中、国債利回りの上昇はわずかにとどまっている。 FRBの金融政策を巡っては、依然として力強い経済指標を背景に、今後も利下げが継続されるか疑問が出始めている。FRBは9月以降、合計0.75%ポイントの利下げを実施。パウエルFRB議長は14日に行った講演で、利下げを急ぐ必要はないとの見解を示した。 CMEフェドウオッチによると、12月17─18日の次回会合で0.25%ポイントの利下げが決定される確率は62%、金利据え置きが決定される確率は38%。 終盤の取引で10年国債利回りは1.2ベーシスポイント(bp)低下の4.414%。15日には4.505%と、5月31日以来の高水準を付けていた。 2年債利回りは1.7bp低下の4.284%。 2年債と10年債の利回り格差は13bpと、0.5bp縮小した。 財務省は20日に20年債(160億ドル)、21日に10年物価連動国債(TIPS)(170億ドル)の入札を実施する。 米金融・債券市場:[US/BJ] <株式> S&P総合500種とナスダック総合が上昇して取引を終えた。トランプ次期政権による政策変更が有利に働くとの見通しから電気自動車(EV)大手テスラが買われた。20日に発表される半導体大手エヌビディアの第3・四半期決算に注目が集まっている。 投資家は半導体需要や今年の市場の上昇を主にけん引してきた人工知能(AI)ブームの持続可能性を評価することになる。 エヌビディアの株価は、新たなAI向け半導体「ブラックウェル」にサーバー接続時の過熱問題が発生しているとの報道を受けて1.3%下落した。 BMOファミリー・オフィスのキャロル・シュライフ最高投資責任者(CIO)は「エヌビディアはマグニフィセント・セブン(超大型7銘柄)で決算発表する最後の1社だが、業績と注目度の幅が広がっている」と指摘。その上で「注目に値するが、1─2四半期ほど前のような勢いは感じられない」と語った。 テスラは5.6%上昇。トランプ次期大統領の政権移行チームが、自動運転車に関する規則緩和を目指しているというブルームバーグの報道が材料になった。 業種別ではエネルギーが1.05%上昇し、S&Pを押し上げた。一方、工業は0.17%安とアンダーパフォームした。 シュライフ氏は「トランプ氏が指名した新たな閣僚から発言が増えるまでは、多くのセクターがかなり不安定になる可能性がある」との見方を示した。 薬局チェーン・薬剤給付管理(PBM)大手、CVSヘルスは5.4%上昇。グレンビュー・キャピタル・マネジメントとの合意で、取締役会に新たに4人の役員を追加すると発表した。 重要な年末商戦を控え、消費の強さを測る上で、今週はウォルマート、ロウズ、ターゲットなど大手小売企業の決算も注目される。 米国株式市場:[.NJP] <金先物> ウクライナ情勢の悪化懸念を背景に安全資産としての金需要が強まり、7営業日ぶりに反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比44.50ドル(1.73%)高の1オンス=2614.60ドルと、清算値ベースで11日以来1週間ぶりの高値となった。 米紙ワシントン・ポストなどは17日、バイデン米大統領がロシアに侵略されたウクライナに供与した長距離ミサイルについて、ロシア領内への攻撃に使用することを容認したと報じた。ロシアに派遣された北朝鮮部隊が参戦したことなどを受け方針転換したという。これを受けて、ウクライナ情勢が改めて緊迫するとの警戒感が強まり、安全資産としての金の買いが活発化。相場は朝方、2600ドル台に乗せ、その後も堅調に推移した。 NY貴金属:[GOL/XJ] <米原油先物> 前週末に付けた約2カ月ぶりの安値から反発した。ウクライナ情勢の悪化に加え、ノルウェー油田の生産停止の報を受けて供給不安が台頭。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前週末比2.14ドル(3.19%)高の1バレル=69.16ドルとなった。1月物は2.25ドル高の69.17ドル。 ノルウェー石油大手エクイノールが、同国最大級の油田「ヨハン・スベルドラップ」(最大産油能力は日量75万7000バレル)が停電のため、生産を停止していると発表したと伝わった。操業再開の見通しは立っていないもようで、北海原油の供給減少への警戒感も重なり、相場は午前の段階で69ドル台に上昇。午後に入ってからも、もみ合いながら上値をじりじりと拡大した。 NYMEXエネルギー:[CR/USJ] ドル/円 NY終値 154.65/154. 67 始値 155.04 高値 155.35 安値 154.58 ユーロ/ドル NY終値 1.0599/1.06 00 始値 1.0542 高値 1.0607 安値 1.0535 米東部時間 30年債(指標銘柄) 17時05分 98*08.0 4.6082 0 % 前営業日終値 98*12.5 4.5990 0 % 10年債(指標銘柄) 17時05分 98*22.0 4.4138 0 % 前営業日終値 98*19.0 4.4260 0 % 5年債(指標銘柄) 17時05分 99*10.5 4.2767 0 % 前営業日終値 99*07.7 4.2960 5 % 2年債(指標銘柄) 17時05分 99*22.7 4.2802 5 % 前営業日終値 99*21.5 4.3010 0 % 終値 前日比 % ダウ工業株30種 43389.60 -55.39 -0.13 前営業日終値 43444.99 ナスダック総合 18791.81 +111.69 +0.60 前営業日終値 18680.12 S&P総合500種 5893.62 +23.00 +0.39 前営業日終値 5870.62 COMEX金 12月限 2614.6 +44.5 前営業日終値 2570.1 COMEX銀 12月限 3122.4 +79.2 前営業日終値 3043.2 北海ブレント 1月限 73.30 +2.26 前営業日終値 71.04 米WTI先物 12月限 69.16 +2.14 前営業日終値 67.02 CRB商品指数 284.0104 +4.2895 前営業日終値 279.7209