「黒目がちな女子」トレンドに変化の兆し、三白眼の芸能人が人気な理由
女子の憧れは、黒目がちでパッチリ二重…というのは一昔前のことになり始めているのかもしれない。最近は三白眼のタレントが人気を集め、目を強調する黒ラインメイクも以前とは変わり始めている。女性のメイクは景気と連動する傾向があるともいうが、この流行が意味するところとは?(フリーライター 鎌田和歌) ● 黒目を強調するトレンドが変わり始めた 若い女性がSNSにアップする画像といえば、目が大きく、顎は細く、肌の色は白く…。過剰なほどに加工された画像を見て「女性は大きな目に憧れるものらしい」と思っている男性は多いだろう。 確かに一時期、黒目を強調するカラーコンタクトが大流行し、テレビに出演するアイドルたちもこぞって着用していたことがあった。アイラインとマスカラで強調した大きな目が、一時期、流行した。 しかしここ数年、そのトレンドがやや変わり始めている。過度に黒目を強調せず、自然な目元が「個の良さ」として認識され始めているという風潮もあるし、目に重点を置く流行が、一部でやや飽きられつつあるのかもしれない。
● 小松菜奈、平手友梨奈も三白眼 一つの傾向として、今、三白眼の女性タレントが人気を集めているということが挙げられる。 三白眼とは、黒目部分がやや少なく、白目が左右だけでなく、上下両方もしくは一方が見えている目のことをいう。 その筆頭に挙げられるのが、小松菜奈だ。2014年公開の映画『渇き。』(中島哲也監督)で役所広司と共演し話題を集めたが、若い女性からの人気が高い。その小松に似ていると評されることもある、シンガーソングライターのあいみょんも三白眼と言われることがある。 若い層を中心に絶大な人気のある平手友梨奈(元欅坂46)は、パフォーマンスの中で三白眼を際立たせるようなカメラの見据え方をするのが特徴的だった。平手の存在が、それまでの「かわいいアイドル像」とは一線を画すものであることは、すでに多く語られている。 美容系YouTuberと呼ばれる、コスメやスキンケアの情報を動画にする人たちの中にも、一重であることや、一重メイクがうまいことを強みとする女性もいる。「あやみん」という愛称で親しまれている18歳の福山絢水は、一重向けのアイメイクで一躍人気になった。 10代や20代前半のSNSを見ると、目が大きく加工された画像をアップしていることが今も多い。とはいえ、その逆の細い目や、三白眼の瞳を加工せずにアップする人も増えつつあるのだ。 ● 三白眼は「媚びない感じが良い」 こうしたトレンドの変化を受けてか、カラーコンタクト市場にも変化が起きている。2019年にグッドデザイン賞を受賞したOvE(オヴィ)というブランドのコンタクトレンズのコンセプトは「色から光へ」。人工的な印象を与えるのではなく、「レフ板を使って瞳の中に光を映り込ませるように」自然な光を瞳の中に持たせることを計算したレンズだ。 美容ライターの長田杏奈さんに聞くと、「3年前ぐらいからカラコンでの黒目強調は減ってきているように思う」と話す。 「以前は読者モデルの方が写真映りのためにつけていることもあったけれど、それがなくなったかなという印象です。カラコンをつけているとわかる感じのものより、黒目のフチが柔らかい自然なものを選ぶ人が増えています。 三白眼と聞いて思い浮かぶのは、小松菜奈さんもそうだし、BLACKPINKのLISAさん。あと、三白眼ではないけれど橋本環奈さんの自然な目の色に憧れるという声を聞くこともあります。 なんでそういう顔が好きなの?って聞くと、『圧倒する感じ』『媚(こ)びない感じが良い』と」 BLACKPINKは2016年に活動を開始した韓国のガールズグループで、10億回以上再生された楽曲を複数持つ。日本での人気の高いLISAはタイ出身のメンバーで、ソロデビューが予定されているという。白目が目立つ大きな瞳がミステリアスな雰囲気を醸し出している。 橋本環奈は目の色素が薄いのが特徴。彼女のような、素のままでカラコンをしているような「奇跡の瞳」に憧れる女性が多いのかもしれない。 どちらにしろ、一昔前の「黒目がちで上目遣い」とは違い、媚びない印象を受けるのは確かだ。