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甘利山、お前もしか・・・。ニホンジカによる食害で変わる植生の原因は人類の行動

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甘利山は山梨県の南アルプス前衛峰のひとつで、初夏にはレンゲツツジが咲き乱れ、花の名山としても知られる山だ。 【画像】シカの食害で、花がすっかり消えてしまった伊吹山 この山に最初に登ったのは10年前の夏。その時はハクサンフウロなどの高山植物と、タマガワホトトギスなど山の植物が程よく草原に混じっており、花の種類が多いすばらしい山だった。ずっと再訪したかったのだが、なかなかチャンスがなく、やっと今年になって、その思い出を胸に甘利山をまた目指すことになった。

今年は酷暑の夏だったが、甘利山は山頂近くの標高1600m地点までタクシーで上がることができるので、下界に比べ10度近く気温が低い。甲府盆地が35度でも、甘利山の登山口の気温は27度程度で、歩き始める前に、涼しさを体感できた。山はいいなぁ。 歩き始めて、周りを見ながら気が付いた。え・・・あれ? 花が少ない。いやな予感がした。以前は駐車場の周りにも花がいっぱい咲いていたのだが、今年はマルバダケブキの花だけが咲いている。 マルバダケブキといえば、野生のニホンジカが食べない植物として知られている。ほかの植物がニホンジカに食べつくされているような場所に残るのは、このマルバダケブキとレンゲツツジなどのツツジ類、フタリシズカ、バイケイソウである。 猛毒として有名なトリカブトでさえ、ニホンジカは食べてしまうのに、なぜかこれらの植物は食べないで残す。ササの仲間もあまり食べないようだ。ニホンジカが増えすぎた場所には、これらの植物ばかりになる。以前紹介した、伊吹山もニホンジカの食害が激しい山だ。伊吹山頂付近の鹿避けネットで守られていない場所でははげ山になっていたが、甘利山でも同じような感じを受けてしまった。 いやな予感は当たってしまった。林床には下草はなく、草地は刈られたよう、ササは残っている。周りを見回すと、レンゲツツジの葉ばかりであった。以前は数多く生えていたタマガワホトトギスも、頑丈な金網に守られてわずかに残っているだけだった。

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