完全に一致っ! フロント、リアのウインドー傾斜角が同じ。内外装を同じデザイナーが担当した初のスバル車|スバル アルシオーネ4WD VRターボ Vol.3
【スバル アルシオーネ4WD VRターボ Vol.3】 それまでの実直なクルマ造りから180度方向転換した、アルシオーネ。 この個性的な2ドアスペシャリティークーペは、それ故に賛否も両論だったが、インパクトという面では効果は十分だった。 エンジン重量112kgのオールアルミ合金製1.8Lフラット4エンジンなど【写真6枚】 また、ハイトコントロール機能付きの電子制御式エアサスペンションやクルーズコントロールなど、当時としては珍しく豪華な装備も話題に。インテリアもエクステリアに負けず斬新なデザインで、スバルらしい独創性の高い最先端装備も魅力のひとつだ。 ただ、惜しむらくはパワーユニット。時代はターボ全盛かつパワー競争の真っただ中。高性能ハイパワー車が続々と登場しているなか、アルシオーネの心臓は、1.8Lフラット4のみ。しかもATは3速。ターボで武装していたとはいえ、135psではライバルに比べて非力感が否めなかったのは事実だ。後に2.7Lのフラット6が追加されたが、これとて150ps止まりだった。 走行性能における4WDの優位性が浸透し始め、インパクト十分のスタイルを持っていただけに、パンチ力のあるエンジンだったら販売面も大きく変わっていたことは想像に難くない。 そんなアルシオーネを1オーナーで乗り続けているのが今回取材した山田雅弘さんだ。 20代後半、そのスタイルにひとめぼれしたアルシオーネを新車で購入。このクルマが初めて自分で購入したものだそうだ。 アルシオーネとの26年間の生活で、3回「もうだめか……」と思ったことがる。1回目は冬の完全凍結した峠道でスリップしたとき。対向車に運転席側から衝突してしまい、ボディが上から見てまさに「く」の字に曲がってしまった。幸い大きなケガはなかったが、クルマの修理には100万円を費やしたそうだ。2回目はボディ全体に広がったサビ。とくにアンダーフロアがひどい状態で、気づいた時にはジャッキアップもできず、後席は床が踏み抜けるほど侵食されていた。「もう寿命か」と覚悟したが、数カ月のレストア期間を経て復活を果たした。 そして3度目は、オーナー共通の悩みのエアサス。空気漏れがひどく、バネが縮みきった状態に。すでに在庫は欠品で入手不可能。しかし、バネサスに交換できるショップが見つかり、VSターボのバネとビルシュタインの特注ショックに換装。これにより、「コーナーリングが気持ちよくなって、走りに関しては今が最高に調子がいいんですよ」と言うほど。大きな逆境を乗り越えてきた山田さんとアルシオーネの付き合いは、この先も続いていく。 1986年式スバル アルシオーネ4WD VRターボ(AX7) 主要諸元 全長×全幅×全高(mm) 4450×1690×1335 ホイールベース(mm) 2465 トレッド前/後(mm) 1425/1425 車両重量(kg) 1130 エンジン型式 EA82型 エンジン種類 水冷水平対向4気筒SOHCターボ 総排気量(cc) 1781 ボア×ストローク(mm) 92.0×67.0 圧縮比 7.7:1 最高出力(ps/rpm) 135/5600 最大トルク(kg-m/rpm) 20.0/2800 変速比 1速2.821/2速1.559/3速1.000/ 後退2.257 最終減速比 3.454 ステアリング ラック&ピニオン サスペンション 前ストラット式 後セミトレーリングアーム式 ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク/後ディスク タイヤ 185/70HR13(前後とも) 発売当時価格 225.0万円
Nosweb 編集部