欧州株に逆張りの賭け、財政改善やエネルギー高緩和を期待-BofA
(ブルームバーグ): 今年の欧州主要株価指数の上昇率は米国株を大幅に下回り、その乖離(かいり)は1976年以降で最大となる見通しだが、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは欧州株に対して逆張りの賭けに出ている。
セバスチャン・レードラー氏率いるチームは、欧州で財政支出の改善が見受けられるほか、ウクライナでの戦争に停戦の可能性が示された場合、エネルギー高に伴う圧力は緩和し得ると調査リポートで指摘。これに対し、米国経済はドル上昇と実質可処分所得が減少する恐れという逆風にさらされていると、レードラー氏らは述べた。
同氏は「ユーロ圏の成長モメンタムが相対的に上振れするとの予測は、世界の株式に対する欧州株の戦術的な上昇を示唆している」と述べ、欧州株の投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエート」に引き上げた。
投資家の多くが行っているのはその反対で、欧州を敬遠し米国株を買い増している。フランスが政治危機に揺れている一方で、トランプ次期米大統領の「米国第一主義」政策は米国株にとってプラスになるとの見方が背景だ。EPFRのデータによると、今年に入ってから米国株ファンドには4410億ドル(約66兆3000億円)が新たに流入した一方で、欧州のファンドからは560億ドルの資金が流出した。
また、マイケル・ハートネット氏率いる同行のストラテジストは、別のリポートで、米国資産に対する投資家の強気とそれ以外の国々に対する弱気には「極端な断絶」が存在していると指摘した。ハートネット氏らは同行の予測を「極めて型破り」だと認めながらも、2025年には債券や金、米国以外の株が米国を上回るパフォーマンスを示すとみている。
原題:BofA Strategists Make Contrarian Bet on Shunned European Stocks(抜粋)
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Julien Ponthus, Michael Msika