純烈、デビュー15年で初の武道館へ。「俺は3年前に勝手に決めてた」酒井一圭が語る想い
「純烈にカネ払って見るほうが狂ってるやろ!」
普段、酒井は友人・知人を純烈のコンサートへ誘おうとはしない。ただ今回に関してはスケジュールに忙殺される中で、マメにLINEを入れている。 「純烈にカネ払って見るほうが狂ってるやろ!って思いながらやってきたわけだけど、それをみんなの力で値がつくものにしてもらってきた。武道館は、関係者席のあちこちで久しぶり!ってなってもらって、社交場にしてほしいんですよ。だから、自分たちはあくまでも普段着で、お客さんと今まで関わってきた人たちには祭りの場。そういう位置づけだね」
リハーサルはわずか4日
当日は、歌だけでなくササダンゴ脚本によるストーリー仕立てのステージとなるが、リハーサルはわずか4日。武道館規模としては異例と言っていい。 だが、普段着であればそれで成り立つ。大きな舞台といってプレミアムなクリエイターを入れるのではなく、小池、ササダンゴ、今林という座組で臨む。 「ササダンゴに関しては、純烈を始める前の約束があって。プロレスの世界で携わるなか、俺がいつかドデカいところでやる時はこいつやなって思って、20年かけて現実になるんです。小池さんもずっとコンサートの演出をやってきてもらったし、今林さんはマッスル(ササダンゴが主宰していたプロレス興行)で一緒になってデビュー時から純烈に力を貸してくれた」
「人に恵まれている。自分の才能じゃない」
「人に恵まれているんですよね。自分の才能じゃないですよ、これは。本当に出逢いとか、その人のいい角度で俺と向き合ってくれる人たちが、すごくやさしいっていうか。そういう人たちだから、リハーサルでも勘どころがわかっていて、スムーズにいくしね」 雑談レベルの約束を20年経っても忘れず形にするのは、契約を交わすよりも尊いことだと思う。本当に、人とのつながりを大切にし、それを原動力としてきた純烈らしい武道館への向き合い方だとわかるはずだ。
デビュー15年目にして初のオリジナルアルバムを出す理由
姿勢そのものは変わらずとも、提供するのは特別感のある作品にしたい。デビュー15年目というタイミングで初のオリジナルアルバム『純烈魂 1』をリリースしたのも、そこにつながっている。 「武道館でやるからには既存の曲だけ歌うんじゃつまらんなと。純烈の懐メロを歌うだけってなるのが嫌なのと、あのハコで鳴らすに見合う楽曲が少ないと思った。それで作家陣には、武道館でやるのを前提にオーダーしました。 今までオリジナルアルバムを作らなかった件に関して言えば……純烈には俺と小田井さんという2人のクリエイターがいたんです。その中で作ると小田井さんの色も入れることになって、自分の色が50%ぐらいになる。つまり、俺自身のやりたい形とズレが生じる。それを純烈の枠の中でやると軋轢を生むだけだから、小田井さんがいる間は出さないほうがいい。お互いが不完全燃焼にならないためにね」