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メジャーリーグとマイナーリーグだけでなく、WBC予選とオリンピック予選も延期

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・バティスタ July 11, 2011(写真:ロイター/アフロ)

 3月12日、メジャーリーグとマイナーリーグは、開幕の延期を決定した。それぞれの開幕は、3月26日と4月9日に予定されていた。メジャーリーグの延期は少なくとも2週間なので、最短であれば4月9日に開幕を迎える。マイナーリーグは延期の期間について、具体的に発表していない。

 同じ日に、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の予選とオリンピックのアメリカ大陸予選も、延期が決まった。いずれも、新たな日程は出ていない。

 2021年のWBCは、従来から4枠増え、20ヵ国(国と地域)が出場する。そのうち、2017年に出場した16ヵ国は予選を免除されている。残る4ヵ国を決めるため、アリゾナ州ツーソンで、3月12~17日(プール1)と20~25日(プール2)に予選が行われるはずだった。プール1の6ヵ国は、ブラジル、フランス、ドイツ、ニカラグア、パキスタン、南アフリカ。プール2は、チェコ、イギリス、ニュージーランド、パナマ、フィリピン、スペイン。各プールから2ヵ国が、来年の出場権を得る。

 一方、オリンピックのアメリカ大陸予選は、アリゾナ州テンピで、3月22~26日に開催される予定となっていた。こちらは、アメリカ、カナダ、コロンビア、キューバ、ドミニカ共和国、ニカラグア、プエルトリコ、ベネズエラの8ヵ国のうち、1位のオリンピック出場が決まり、2位と3位は台湾で行われる最終予選で、台湾、オーストラリア、中国、オランダとともに、最後の6枠目を争う。この最終予選は、4月1~5日に組まれていたが、3月2日に延期が決まり、現時点では6月17~21日とされている。日本、韓国、メキシコ、イスラエルの4ヵ国は、すでにオリンピック出場が決まっている。

 なお、ドミニカ共和国のメンバーには、ワンダー・フランコ(タンパベイ・レイズ)とホゼ・バティスタもいる。現時点で、この2人を「新旧のスーパースター」と呼ぶわけにはいかないが、スイッチヒッターの遊撃手、18歳のフランコはトップ中のトップ・プロスペクトだ。ベースボール・アメリカ、ベースボール・プロスペクタス、MLB.comのいずれも、プロスペクト・ランキングの全体1位にフランコを挙げている。一方、39歳のバティスタはメジャーリーグで344本塁打。2010~11年に2年続けて本塁打王のタイトルを獲得し、2010年代前半(2010~14年)の187本塁打は、このスパンの誰よりも多かった。実現するかどうかはわからないが、バティスタはリリーフ投手としても練習している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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