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ホークス和田毅「奨学金がなければ、僕はプロ野球に入っていなかった」~寄付金を贈呈

田尻耕太郎スポーツライター
奨学生へ寄付金を贈呈した和田投手(左)・筆者撮影

和田が発起人となりイベントを開催

 和田毅投手が、昨年12月に自身が出演したイベントで集まった寄付金を、日本財団『夢の奨学金』に贈呈した。

 かねてからチャリティー活動に深い関心を持つ和田は、「野球で、人を救おう」を合言葉にするNPO法人『ベースボール・レジェンド・ファウンデーション』が主催するトークイベントに出演した。この時のイベントは和田が声掛け人となり、チームメイトの千賀滉大投手をはじめ、同級生の東京ヤクルト・館山昌平投手、そして畠山和洋選手、東北楽天の則本昂大投手、オリックスの吉田正尚選手といった豪華メンバーが集った。

 今回、そのイベントのチケット代金の一部(一枚につき2000円)、フォトセッションで集まった募金、オンラインで集まった寄付を、児童養護施設で育った子どもたちの進学をサポートする『夢の奨学金』に寄付することが決まっており、計66万6851円が集まった。

 3月10日、タマホームスタジアム筑後で贈呈式が行われた。今回の寄付金は、特にスポーツ選手としての進学を目指す学生、スポーツを支える仕事を目指す学生、体育教師を目指す学生の支援に充てることになっており、この奨学金の一部を活用することになった伯野海人さん(福岡大学・ボクシング部)に目録のボードが手渡された。

「じつは僕も奨学生だった」

「じつは僕自身も奨学生で、そのお金がなければ早稲田大学には入れなかった。早稲田に行っていなければ、プロになれたかも分からない。奨学金は2年前にようやく返済が完了しました。今、奨学金の返済が負担になって自己破産に追い込まれる方もいると聞きます。今回の奨学金は返済のいらない給付型。そこが賛同した理由の一つでもあります」と和田は話す。

 自身が中学生の頃に「赤い羽根共同募金」の募金活動をし「このお金はどこで、どのように使われるのだろう」と考えたのをきっかけに、寄付の大切さなどを学んだことで、プロ入り後は意欲的にチャリティー活動を行っている。プロ3年目の'05年シーズンから「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」を通じてワクチンを寄贈する活動は、現在も継続している。

「今回、奨学金を贈る活動を初めて行わせて頂きました。第2回、第3回と続けていけるようにしたい」と熱く語った。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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