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いい夫婦とは何か~インスタで人気60代仲良しリンクコーデ夫婦に聞くその3「趣味の入口はいつも奥さん」

佐藤智子プロインタビュアー、元女性誌編集者
4月に定年退職してから、二人の時間が増えた。外出は大体いつも一緒 撮影/中原 幸

仲良し夫婦bonpon511の二人が、第2回目の配信で、実はGLAYファンであることが判明すると、親子三人で映った写真の、二人のインスタにGLAYファンの方々からのコメントが集まり、ついに、フォロワー数は60万人を超えてしまった。

インタビューを試みた10月25日は、ちょうど、武道館で行われるGLAYのライブの日であり、pon(妻)さんの誕生日でもあった。

その記念日でもある日に、二人でGLAYの自作ペアTシャツを着て、大好きなGLAYのライブに一緒にいく。

二人が大好きなGLAYのバラード曲『ずっと2人で...』が流れると、歌詞が自分たちと重なって、胸がいっぱいになり、涙があふれて止まらなかったと、ponさんは後に話してくれた。

奇しくも、11月11日に第2回目の記事を配信した日は、ちょうど、GLAYの横浜アリーナでのライブ当日。二人の記事を読んだというTERUさんが、自身のツイッターに投稿。そして、なんと、翌日12日の横浜アリーナでのライブで、二人のことを話したうえで、二人のためにと、『ずっと2人で...』を歌ったというのだ。

このTERUさんの粋な計らいとファンを大事にする思いに多くの人が感動し、また、GLAYとファン同士の絆が深まったという。

今、多くの人が、この二人のインスタ写真を見て、「ほっこりする」「癒される」「こんな夫婦になりたい」「可愛い夫婦」「仲良し夫婦」と憧れられている。

それに対して、「ありがたいし、うれしい!! だけど、ただ立っているだけなのに(笑)」と照れながら、謙虚に感謝して、首をすくめる。

この二人はどうして、多くの人に、幸せを届けられるのか。

どうやったら、こんなにも仲のいい夫婦でいられるのか。

はたまた、二人のどういうところが人の心をとらえているのか。

各業界の専門家や各世代に、二人についての意見を取材した中で見えてくるもの。

それらを、本人たちにフィードバック。

11月22日。

「いい夫婦」の日に、改めて、いい夫婦とは何かを考える。

仲がいい夫婦とは、どういうイメージなのかを、結婚37周年のお二人に聞いてみた。

最高のパートナーシップを築くために、今、できることとは?

インタビューは、二人が上京したタイミングで行った。一つのインタビューに対して、二人が同時に同じ答えを言ったり、一人がしゃべっていると隣でうんうんと相づちを打ったりと、動作や言葉のシンクロが多い。「ねえ」「ねえ」と顔を見合わせて、まさに二人で1セットという感じの受け答え。言葉の選び方、使い方、言い回し、写真では見えてこない二人のリアルな雰囲気をレポートする。

二人の車のナンバーもおそろい
二人の車のナンバーもおそろい

――@bonpon511のアカウント名の、511、5月11日はお二人の結婚記念日(1980年5月11日)じゃないですか。そもそも、なぜ、5月11日に結婚しようとしたんですか。何かの記念日だったんですか。

b(夫) 日にちは特に決めてなかったよね。

p(妻) 披露宴会場の空き、そんな感じだよね。教会の空けられる日と披露宴会場が空いている日の日曜日だったんだよね。

――じゃあ、別に511にこだわっているわけではなかったんですね。

p  全然こだわっていなくて。

―― でも、今では、代名詞みたいな、一つの重大な記号になっているわけじゃないですか。お二人の車のナンバーにも使われていますよね。洋服も、リンクコーデで何かを合わせるとか、場所によって何かテーマを決めるとか、ありましたよね。なんかこう、生活や夫婦の中で、こういうことは、という決め事はありますか。自分たちのルールというか。

b 今の生活では、ルーティンで、お掃除を一緒にやりましょうとか。特にないんだよね。そんなに決め事は。

p そうだね、決め事は、思い浮かばないね。

――じゃあ、ほんとに、自然体で。ということは、あんまり、二人は、こうしなきゃああしなきゃという気持ちはないんですか。

p ないかも。

b あんまりないかもしれないですね。

――好きなものははっきりしていますよね。イヤなものはイヤなんですよね。たとえば、マネージャーをつけませんか、と言われても、じゃあそうしようかなということでもなく、やらないと決めたらやらない、というのはあるんですか。

b そこらへんもあんまり頑なでもないんだけども。けっこう優柔不断なんだけども。それに関しては、二人で考えて決めたので、よっぽどのことがない限りは。生活では、あまり決め事はないかもしれない。

――二人のライフスタイルは、一体どういう生活をしているんだろう、というところで、みんな、聞きたいこともある。

b 私のほうからすると、退職したばっかりで、家のことを全然知らなかったので、今、家事を習いながら、できるだけ一緒にやろうとしている。それが自分で慣れちゃっていれば、勝手にやっているかもしれないし。

――今は、どういうことを習いながらやっているんですか。

b  まあ、お掃除を一緒にするだとか。

p  買い物を一緒に行ったり。

b  洗濯のしかたがわからないんだけど、って聞いたり。

――熟年離婚も多いさなかに、また、新婚に戻れるという、どうしたら、そんな夫婦の絆ができるんですか。

b でも、それは、それこそ、どっちかが病気になったら、やらなきゃいけないじゃないですか。

p できていたほうがいいよね。家事でもなんでも。

――備えとしてですか。

b  それもあるし、まあ、そういうことを一緒にやることが今は、楽しい。

「私たちは幸せだけど、人、それぞれの幸せがあると思うから」

――みなさん、聞きたいのが、幸せな夫婦、カップル、パートナー、まず、どうしたらそういう人と出会えるんですか、という質問が多いんですが。でも、これは、運命としかいいようがないですよね。お二人の場合は。

p ほんとに。

――美術系の専門学校で知り合って。一目ぼれで。

p そのまま来ちゃったからねえ。

b ねえ。どうなんでしょうね。こういう形で幸せだと思う人もいるかもしれないし、亭主関白と良妻賢母みたいな関係のほうが幸せと思っている人もいらっしゃると思うので。

――二人が思う、幸せな夫婦っていうイメージはどういう夫婦ですか。ああ、幸せな夫婦だなあと見て思うのは。どういう時に思うんですか。

b どうでしょうね。

p 仲がいいということだよね。

――それは、一緒に何かをするとか、会話があるとか。どういうことですか、仲がいいのは。

p なんか、こう、仲の良さというのは。

b  年取っても、何も言わなくても、そばにいるだけで安心していられる存在。

p  二人でいるのが楽しいとか。

b まあ、楽しくなくても普通でいられるとか。

――つまり、お二人のこと、自分たちのことですよね(笑)。

bp うん(笑)。

――それが、たとえば、自分たちはそうじゃないんだけど、こうだったらいいのになっていうことじゃなくて、自分たちのやっていることが、おすすめできる幸せってことですか。

b  そこが微妙で(笑)。人それぞれだから。

――なるほどなるほど。

b  自分たちはそれでいいかなと思ってやっていることなんで。

p  今の私は、生活も含めて幸せだけれども、他の方にとって、このやり方、この生活が幸せかどうかは、わからないよね。

b  ひょっとしたら、二人で、年取っても商売やっているほうが幸せだっていう人もいるでしょうし。

――じゃあ、私たちみたいになったらいいよという話じゃないんですよね。

bp 全然。

b じゃないです。

p  おこがましいです。夫婦それぞれで違うと思うから。

――じゃあ、四六時中、ケンカをしていたとしても、それで、楽しいと思えれば、幸せだろうし。

p  仲がよければ、それで、仲直りできれば。別れたいと思わなければねえ。

b  そうそうそう。わかんないですよ、自分のことはね、逆にいうと、30年間くらいの結婚生活で、やっとここまでたどりついたかもしれない。お互い、子育てや仕事に忙しかったりするから。

息もぴったりな二人 撮影/中原 幸
息もぴったりな二人 撮影/中原 幸

――それが一番理想じゃないですか。唯一無二のことかもしれないけれど。今からでも間に合う、ちょっとこういうことをしたらいいんじゃないのっていうコツみたいなものはありますか。夫婦の関係をよくするために。

p  リンクコーデだね(笑)。

bp あはははは(笑)。

p  仲良くなるかもよ(笑)。

――でも、仲が良くないと、リンクコーデはできないという(笑)。難しい。

p ああ、難しいかあ。

――本にも書いてありましたけど、ほめることですよね。 

p  ほめることですね。

――お互いが認め合える。

b  似合うよと言われると、ああそうなのかなと思えるじゃないですか。自分じゃこんなの着ないよと思っていても。だまされたと思って着てごらんと言われて、似合うよと言われると、その気になっちゃう。

――今までに、すっごい大ゲンカとかありますか。

p  若い頃はよくケンカしていたよね。

b  それは、やっぱり帰ってこないとか。

p  そうそう。仕事でね。

b  帰るって言ってて、帰ってこないとか。約束破りの常習犯で。

p  携帯も何にもない時代だったから、連絡の取りようもなかったし。

――それでも別れずにいたのは、どういう修復のしかたをしたんですか。

p  好きだったから。それしかない。

――もうね、会話が全部ラブラブだから、元も子もないですが(笑)。乗り越えた夫婦よりは、もともとのツインというか、1セットな感じなんですよね。なんかね。

b どうなんでしょうね。自分たちではわからないですよね。

――でも、仲がいいカップルに、どうして仲がいいですか、と聞くのも難しい話ですよね。

b  そんなに仲がいいとも思っていないんですよ。そんなに、ラブラブだっていうふうにも思っていなくて。

――二人が思う、ラブラブな人っていうのは、どういう感じなんですか。

b  いつもくっついていて、手を握っていて。

p  いっぱい会話もしていて。

――二人がうらやましく思うほどのラブラブな人って、周りにいますか。いないですよね。

p いない。

――お二人以上の人います? 今まで見たことあります?

b 映画では、ラブラブの熟年夫婦もよくいるんだけれども。ああいうのしかわからないので。ああいうふうにはなれないなあって。

p 会話は多いのは見ていてうらやましいなと。私たちはあんまり会話がないので。

――でも、こうやって、取材を受けたら、お互いにいろんなお話をして、どう思っているかもわかってきて、だいぶ変わりましたか。お互いのことを聞かれたりすると。

b でも、思っていたことの確認作業みたいなものなんで。そんなに、驚くことはなく。

――リンクコーデを始めたり、インスタを始めたら、確実に絆を深めていますか。

b  それはあるよね。話すきっかけがあるじゃないですか。少なくとも、今日何着ていく? とか。何合わせたらいい? っていう会話になったり。

p  出かける場所を調べたりだとか。

――二人で1セットになっていますからね。一人が欠けてもね。やっぱり、外に出るのも必ず二人で出かけているんですか、今は。

b なるべく。用事ある時は、私が一人で出かけたり、そういう時は、普段の普通の服を着ているんですけど。でも、平日もなんとなくリンクっぽくなってしまうけど。

p 二人で出かける時は、たいていこんな感じで合わせて、インスタのまんまみたいな感じで。

――だったら、声かけられるでしょう?

p 二人で歩いていると、目立つみたいで、一人だとそんなに。

――どうしたんだろうって、声をかけたりして(笑)。

p あんまり気づかれないかもしれない。

b こないだ仙台駅に行った時に、見かけましたという方がおられましたけど。

p 「bonさんを見かけましたけど、声をかけられなかった」というコメントをいただきましたけど。

――どちらか一人だと声をかけづらいのかもしれませんね。

b そうかもしれないですね。

「べったりではなくて、それぞれが好きなことをしているから」

――やっぱり、二人の距離感がいいんですよね。べったりではなくて。

p  二人で寄り添って座っていることなんて、ほんとになくて。それぞれが好きなことをしている感じで。

b  どっちみち、人間なので、違うことを考えている。趣味も違うし。やり方も違うし。

p  寝る時間も違うしね。

b  お互いに、尊重してもらっているので、なんとかなっているんで。それ、俺、気にくわない、絶対ダメっていうことではなくて。

――そのへんが自立していますよね。仲いいのと、依存は違うから。二人の、一人でもかっこいいっていう意見が多いのは、そういうことでしょうね。

b  性格が正反対なんで、やるプロセスが違うんですよね。どうしても違うんだけども、結果、同じになるんだろうなっていうのがあるから。

――なるほど、アプローチは違うけど、最後は同じということですね。だから、生活もリンクコーデなんですね。ペアルックではないという。全部、ぴったり、同じじゃなくて。ところどころ、一緒のところがあると。

bp そうそうそうそう。

p  好きなものとかは似通っているけれども、それぞれ。

――それが長続きのコツじゃないですか。

b  何やっても、絶対ダメということがないんですよね。この人、面白そうなことやっているな、俺、できないけど。でも、そのうち、こっちも興味を持ったりして(笑)。GLAYなんかもそうですけど。引き込まれていくというか。

――ponさんは、bonさんから影響を受けて、何か始めたことはあるんですか。

p なんだろう。言い出しっぺはいつも私かもしれない。ノルディックウォーキングも最初に私が見つけてきて、「これ、面白そうだよ」って言って。

b  何でも、いいものだっていうのはわかるんですよ。楽しそうだなって。自分は、GLAYなんか、って思っていたんだけども、楽しそうにしているんで、タイミング合うと、じゃあ、俺もやってみようかなって。

――ponさんの目のつけどころに間違いはないと。

b そうですね。趣味の入口はいつもこの人(ponさんのほうを見て、笑う)。

――それに、ponさんのアプローチが上手なんでしょうね。なんかこう、やりなさいよということではなくて。楽しそうにしてて、遊ばせている時間があるみたいな。選択をゆだねているというか。

p  乗ってくれるというのがね。なかなか旦那さんって、受け入れない人のほうが多いかもしれないけど。

――しかも、順応性があるんでしょうね。1、2回付き合ってみて、俺違うわということではなくて、そこで、はまっちゃうところがすごいですね(笑)。

b まあ、絶対ダメなものはあるんだけど。

――GLAYのTシャツを着ているところが少々のはまり方ではないですよね(笑)。

b いいんですよ。そういうのは。そういう細かいことはいいんだけども。どうせ行くんなら、楽しんじゃえっていうのがありますね。違うコスプレするかもしれないし。コスプレなんてと思いながら、こういう時だから、じゃあ、乗っかってみようかとなると、自分の知らない世界にはまるじゃないですか。

――その、二人の、人生を面白くしようというのが、いいですよね。なんか、奥さんに言われて、イヤイヤついてきて、無理してるんじゃなくて。やってみたら、面白かった。どうせやるなら、楽しもうぜと。どうせなら、イヤイヤじゃなくて、どっぷり入ろうと。

bp そうですね。

GLAYのライブに向かう途中、二人のインスタファンに声をかけられる。この後、一緒に記念写真を 撮影/佐藤智子 
GLAYのライブに向かう途中、二人のインスタファンに声をかけられる。この後、一緒に記念写真を 撮影/佐藤智子 

「こういう夫婦になりたいと言われるのが、ほんとにうれしい」

――インスタっていうものの影響度というものが、ここまでだとは思っていなかった? 

bp はい。

――コメントが、結婚記念日の5月11日には1100以上あったりとか、つねに、何万人の人の「いいね!」があるじゃないですか。そのコメントは全部読まれているんですか。

p(間髪入れずに)読んでます!! コメント読んでいるけれども、コメント返しはとてもできないので、「いいね!」だけは全部押しています。

――でも、中には、何行も書いてあったりしますよね。そのコメントした人のインスタに飛んで、バッググラウンドとか見たりするんですか。

p 見たりします。

――どこに住んでいるとか。

p プロフィールが出ていれば、見たりします。

――そういうのも、やっぱり、どういう人たちが自分たちに共感されているか、気になるところですよね。

p 興味深いコメントを書いてくださった方のインスタには飛んでいったりして、どういう人なのかなあって、見たりしますね。

――お二人がフォローしている人たちというのはどういう人なんですか。おしゃれな人たちなんですか。

p あんまり個人はなくて。

b 私は、仕事がらみですね。

――じゃあ、ものすごいファンの人とつながっているということはないんですね。

p そういうのはないですね。

――でも、みなさんのコメントで、お二人が励まされていることは確実。

bp はい。

――どういう人たちからのコメントが、今のところ、思い出されます? いろんなコメントがあるとは思うんですが。どういう言葉が、お二人にとって、ああ、ありがたいな、よかったなと思うんですか。

b なんか、「自分たちも目指したい」みたいな。「理想だ」みたいなことを書かれると、申し訳ない気持ちと、ありがたいなあっていうのと。

p やっぱり、「こういう夫婦になりたい」というのが一番多いコメントなんですけど。

――それが、だって、日本語だけではなくて、外国語だったりとかするわけじゃないですか。

ちなみに、英語は勉強するというのはないんですか。

p 英語ねえ。

b 気持ちはあるけれども、なかなか、腰が重くて。

「コメントに、私たちが励まされている」

――コメントの中に、「私たちも同じ結婚記念日なんです」とか。

p ありますね、はいはい。

――「年齢が一緒なんです」とか。「性格が似てます」とか、なにか、それこそ、リンクをしたいというか、共感性も持ちたいというのが人間としてあるのかなと思うんですけど。そういうのは、ちょっとこう、親しみを感じます?

p あ、うれしいなあ、そうなんだなあって、と思って、うれしいよね。

b 共通点を見つけてくれて、なんか、うれしいよね。

――そうかと思えば、「私は結婚していないんだけど、今、全然二人とは違う環境にいるんだけど、でも、こうなりたい、夢なんです」っていうのも、うれしいですよね。

p うれしいですよね。とにかく、うれしい。

――あとは、旦那さんに見せているとか、親に見せてます、というのが。

p そうそうそうそう。それもうれしい。

――このインスタが絆になっていたり、架け橋になっている、というのもうれしいですよね。

p うんうんうんうん、うれしい~。

――なんか、そういう、いろんなインスタの、悲喜こもごもというんですか。今、寂しいけど、二人みたいな夫婦になれるかも、今は独身だけれどもという人もいれば、今はちょっと夫婦仲がイマイチだけど頑張ります、という人とか。いろんな人に影響を与えているというのが、素晴らしいですね。

b  逆に、私たちが励まされると思うので。ほんとにね、ちゃんとしなきゃ、何回も言ってますけど。

p  そういうコメントを読んで、ああ、仲良くしなきゃいけないとか、仲良くしていたいなあっていう気持ちがより、また、強くなりますよね。自分たちもコメントからそういう力をもらっているし。

――ある意味、責任がありますよ。もし、これで、二人が離婚とかしたら、はあああってなるじゃないですか(笑)。

bp あはははは。

p そうですよね。

b あっはは、怖い(笑)。

――突然、姿勢が崩れて、だらしなくなったりとかしでもねえ(笑)。あーあ、みたいになっちゃうじゃないですか。これだけの、理想になってしまったからには。

b そうなったらそうなったで、腰が曲がろうが、インスタやる気になっていれば、やっているかもしれないし。

――そのへんは気負わずに。

b そうです、そうです。突然、イヤになっちゃったり。

p 病気になっちゃうかもしれないし。わかんないもんね。どうなるかなんて。いつまでもしゃんとしていられるわけじゃないし。

――確かに。

p  その頃に、インスタ続けているかもわかんないしね。

b  わかんないしね。ひょっとして、介護施設に二人で入って、ヘルパーさんに、写真撮ってもらっているかもしれないし(笑)。

――しれないし。先はわからないですよね。その感じがいいんでしょうね。こうならなきゃって、いうのはないですもんね。

b  こうでなきゃいけないというもので始めたわけではないからね。

――ないからね。

b  自然に終われば終わったでいいし。続けててもいいし。みたいな。

インスタの写真はいつもは三脚を立てて自撮りする 撮影/佐藤智子
インスタの写真はいつもは三脚を立てて自撮りする 撮影/佐藤智子

――二人にとって、この、リンクコーデとか、インスタというのは、どういう存在になっているんですか、今は。なくてはならないもの? それとも。

p  今は、生活の張り合いみたいな、ね。

b ね。

p  それがあるから、より生活が楽しい、みたいなのがあるね。

b うん。

――リンクコーデはやめるけど、インスタは残しますということはなく、リンクコーデとインスタは切っても切り離せないものなんですか。

p このスタイルでいくっていうのはインスタだよね。

b そうだね。ひょっとすれば、リンクコーデやめちゃった時には、別のインスタを始めているかもしれない。

――ああ。なるほど。

b 別の趣味のインスタを始めているかもしれない。

――今度、孫コーデとかやっているかもしれませんね(笑)。

bp ねえ。

b スポーツやったりとか。

p 孫の写真ばっかりになったりして(笑)。そっちのほうが可愛くてね。

b それはそれで楽しみだよね。どういうふうになっていくのか。

「リンクコーデを仕事にしない、というのはこの先も変わらない」

――でも、絶対、ここだけは変わらないというのは、前にも言われている、スポンサーとか、仕事にしちゃうとかいうのは、変わらないんですよね。

bp はい。

――ものすごくおいしい話がきたら、どうします?

bp(少し沈黙して、同時に)ないね。

――そういうことではない。

b  やるんだったら、ちゃんとプロみたいにやっていかないといけないとなったら、どんなオファーでも受けなきゃいけなくなるし。そこまでする気はないかな。これがもし、20代で、職がなくて、インスタで食べていこうなんて思ったら、いろんなことを考えていたかもしれないけど、そういうこととかもないんで。

――だって、もう、二人で、自由にしたいですもんね。

p うん。

b  やっと、自由な時間が、

p  できたのにね。

――それで、仕事になって、締め切りがあったり、配信しなくちゃいけなくなったら、縛られたらイヤですもんね。

bp そうですね。

お茶目な60代夫婦 撮影/佐藤智子
お茶目な60代夫婦 撮影/佐藤智子

――今回、お二人にインタビューさせていただくということで、事前にいろんな方にお二人についての取材をしてきたんですけれども。たとえば、ファッション業界の方が言っていたのは、「二人を見ていると、定番な感じがする。安心感、清潔感。洋服をだらしなく着ていない、普遍的なスタイルをやっているから、自分のことがよくわかっている人たちなんじゃないか。今は、着崩したり、ルーズなものが流行っているけれども、どんなものを見てもクリーンでいられる、人柄がよさそう。だらしがない人は、だらしがない格好になるけれども、シュッとしているから、日頃からちゃんとされている人なのではないか」と。

bp あははは(照れる)。

――で、「インスタっていうのは、今の主流として、洋服はファストファッション、だけど、靴や時計やバッグ、1アイテムだけはシャネルとか、高級ブランドにして、盛り上げるとか、というのが流行りだけど、すべてのものを同レベルにするという、バランスよくするというのがすごい。無理をしていない。キャラクターというか、チッチとサリーみたいな、そういうカップルがほんとにいるの?! という、偶像化しちゃう。トラッドの着こなしが育ちがよさそうで、品がいい。どうしてこういう二人になったのか。そういうバックグラウンドが知りたい」と言われていたんですよ。この意見に対して、どう思います?

b あの、最後のトラッドに関しては、ちゃんとした家とかじゃなくて、世代的に、憧れのファッションだったんで。お金持ちもトラッドだったし、湘南ボーイも憧れるじゃないですか。田舎者の坊主には(笑)。あんなふうになりたいなあっていうイメージがこびりついちゃっているので。しかも、アメリカで流行ったものというのが、憧れだったんですよ。

――憧れだったんですね。

b だから、歳を取っていっても、トラッドの店が残っていて。おしゃれな人って、けっこう、ボタンダウンのシャツも着ていたりして。一時期、ボタンダウンとかじゃない時もあったんですけど、結局、ちゃんとしようとすると、会社でスーツ着たりすると、普通のカラーじゃなんかダメなような気がして、若い頃のトラッドに戻るんですね。そういうのがあるので、憧れのスタイルがトラッドだったということで。

――その定番なものが好きというのが、二人の生き方に似ていますよね。ファッションが。なんだかんだ言って、そこに戻るわけですよね。

b 逆に言うと、冒険心がないのかもしれませんね。

――いやあ、そのトラッドを着こなせることが、みんなすごいと言っているんですよね。姿勢であったり、着方であったり、誠実さであったり、清潔感というのがないと、着こなせないんですって。ファッション業界の方が言うには。人柄が洋服に出るというか。こういうプロフェッショナルな方たちから素晴らしいコーディネートだと言われるのはどうですか。

参考にしていますとも言われていましたよ。

p なんだろうね(笑)。

b なんだろうね(笑)。

p 今、着ているのは、ほんとに、ユニクロとかが多くて、トラッドって感じでもないんだけども。

b そうだね。もろ、トラッドという服じゃないよね。

p ないね。ただ、好きな色とか好きな柄が、トラディショナルのものが好きだから。タータンチェックとか、ギンガムチェックとか、水玉とか、昔からのもの。

b  薄いピンクとか、絶対着ないしね。

p  ずっと変わらないというのが、冒険心がないっていえばそうなんだけど。

b  裏返せばそうなんだけれども。

堅かった表情も今では自然な笑みがこぼれるように 撮影/佐藤智子
堅かった表情も今では自然な笑みがこぼれるように 撮影/佐藤智子

「笑顔の練習、したんだよね(笑)」

――今回、いろんなプロフェッショナルな方に話を聞いたりしたんですが、絵を描く人、イラストレーターの方から見ると、二人で1セットという色の組み合わせだったりとか、ポイントの使い方が映えると。たとえば、赤が好きだからといって、全身赤にするのではなくて、赤を映えるように、1ポイントだけ赤にするとか、そういうのがほんとにおしゃれな感じがすると。足元がしっかりしていて、生き方が表れている。リズム感がある。

p へえ。

b ほお。

――そして、ずっと、最初からインスタを見ていると、bonさんの表情がすごく柔らかくなっている。

p そうそうそう。練習したの(笑)。笑顔の練習を。ね。

b (うなずく)

p  撮影を何回もされる機会が増えてきて、笑ってください、笑ってください、もうちょっと表情を柔らかくって言われることが多いので、ねえ。

b うん。ほんとに笑った時だけ、シャッター音が聞こえるんですよ。それで、これくらい笑わないと、笑ったっていえないんだなと。

――笑ってないと、シャッターを押さないんですね(笑)。

b  自分は一生懸命笑っているつもりなんですよ。でも、口元がへの字になっているみたいで。

――確かに、書籍のインタビューが7月で、この3、4か月過ぎただけでも、しゃべりが慣れてこられたというか。全然違いますね。もう、取材慣れしているかもしれない(笑)。

p  取材慣れしてないねえ。笑えないんだよね。

――でも、そうやって、自分たちなりの変化というか、成長というのも感じますか。

p うーん、そうだねえ、どうだろう。

b  あんまり、変わっていないような気がする。

――でも、表情は柔らかくなってきた。あと、単純に、カメラワークがすごいという意見もありました。三脚の位置が絶妙だと。高すぎず、低すぎず。ちょうどいい。直立不動で。写真のクオリティが高いと。写真の練習はしたわけじゃないんですよね。

p 全然。三脚も一番伸ばして。

b やっているだけで。

p 全身が入る距離をとって。ただ、それだけで。

b アングルは決めているんだけど。

p 私がセットするんだけども。なんにも考えてない(笑)。ベンチに座っている時とかは、三脚もちょっと下げたりはするんだけれども、あとは全然、いつも、一番伸びるところまで伸ばして。

「インスタ映えを全然ねらっていない(笑)」

――二人の話を聞いていると、まったく戦略がないんですよ。

bp すみません。

――謝ることはないですよ(笑)。それが、いいなあと思って。この世の中で、戦略なしで、テキトーに自然体でやって。インスタグラマーみたいな人たちはみんな、インスタ映えする撮り方をいろいろやっているわけでしょう。

p だから、写真の加工もしないし、インスタ映えとかも全然ないし。

b でも、背景とかは気になりますよね。

p あ、ごちゃごちゃしないようにとかね。

b 空は、できれば、青空のほうがいいよねとか。緑も、枯葉が見えるよりは、枯葉が見えない緑のほうがいいし。電柱もないほうがいいなとか。そういうのは。

p そうそう。日差しが強すぎると、影がきつくなっちゃうから、場所を変えたりとか。そういうのはあるよね。

――そのコーディネートは素晴らしいと思いますね。絵ハガキみたい、ポスターみたいに見える。やっぱり、広告業界におられたお仕事柄なのかなあ。

b でも、アングル決めているのは、この人(ponさんのほうを向く)なので。プロの人だと、もっとアングルを下げるんですよ。そうしたら、顔がちっちゃく見えるとか。

p 娘はね、下のほうから撮ってっていうんだけど。足が長く見えるようにと。私たちは全然そんなこと、かまわないでやっているけども。

b 上から撮ると、顔大きくなって、足が短く見える。プロの人は、お腹あたりに下げて撮るけどね。

――そういう自分たちが痩せて見えるとか、若く見えるとか、光を当ててシワを伸ばすとか、そういうことはないんですか。

b どっちみち、変えようがないんで(笑)。元の顔はね。どうしようもないんで(笑)。

――素晴らしいですよね。なんか、写真から、長年連れ添った夫婦にしか出せない雰囲気が出ている、今日会ったばかりのモデルではないと言われているんですが。

p モデルじゃないからね。

b モデルだったら、もうちょっと鍛えましょうとか、なんかシャツの襟もちゃんとしましょうとか、あるかもしれないけど。

p デコボコ加減がいいのかもしれない。

b そうかもしれないね。

――じゃあ、今日は髪をこうしてみよう、とか、そういうのもないんですね。

p 髪、切りすぎたっていうのもあるけれど。自分で切っているんで(笑)。

後ろ姿さえも二人の幸せな生活ぶりがうかがえる 撮影/中原 幸
後ろ姿さえも二人の幸せな生活ぶりがうかがえる 撮影/中原 幸

――いろんな方にお二人について、取材したのですが、その意見をざっとお伝えしますね。お二人と同世代のアーティストの方は、「二人のフォロワーです。二人のコーディネートは癒される感じがする。安定のおしゃれな感じがして、見る側に不快感を与えない」ということですが、どうですか。

p うれしいね。

b ありがたいね。

――不快感を与えない、癒される、ですよ。

あと、30代の主婦の方は、「イギリスをイメージします。ベタッと、ペアルックではなく、さりげなくしっかり強調して、あ、おんなじやとわかるところがある」と。

長年連れ添ったご主人がいる50代の教育関係者の方は、「お二人が醸し出す雰囲気はきりっとしていて素敵です。変なペアルックじゃないところがいい。媚びないところがいい。精神的にも経済的にも自立していて、かつ、お互いの考えを大切にしているように見えます。上質のワインや、大吟醸の日本酒みたいです。長いこと、樽の中で熟成された、見た目は澄んでいて、濁りがない。どうしたら、二人ともあんなおしゃれでいられるの?」。

また、20代の販売員の方は、「旦那さんが引き立て役で、奥さんだけがキレイなカップルはたくさんいるけれど、あんなに凛々しい歳をめされた夫婦はなかなかいない。若い時からあんなふうなのか、いつからあんなふうなのか。普段の日常を知りたい。どんなものを食べて、どんなものに感動して、どんなものを大切にしているのか。それこそ、何時に寝て、何時に起きるのか。趣味とか、普段の二人を知りたい」。

40代のファッション業界の方は、「トラディショナル、ムダがない、引き算して、きりっとしている、こんなリンクコーデをしてみたい、ナチュラル、黄金比のような色使いの配分、髪の毛とか全然乱れていない、愛情が伝わる、一人でもかっこいい、主張がある、何もしていない時の時間の過ごし方を知りたい、服が人となりを表すことに改めて驚いた」。

と言われてますけど、どうですか。

bp (終始、ニコニコ照れ笑いして、コメントをじっと聞きながら、へえと驚く二人)

b  家に着て、実態を見られたら大変だね(笑)。パジャマで、ずっとテレビ見て、寝っ転がっているってね。

――先ほどの50代の方で、「主人はおしゃれなんだけど、服には手入れをするけれど、自分には全然手入れをしなくて、歯が抜けたら抜けっぱなし。お二人は、お互いにこうしてほしいというような要求はないんですか」とも。細かいバックグラウンドは本に書かれていますけど。大吟醸の日本酒と言われていますけれど。

p ああ(笑)、めっそうもないよね(笑)。

b めっそうもないね。

――めっそうもない。でも、違います、ということでもないですよね。言い得てません?

b ありがたいけれど、実際の生活はそんなにおしゃれでもないし、カップ麺すすって、テレビ見て大笑いしているし。

p ほんと、ほんと、ねえ。

――そこが若いんですよね。あと、22歳の学生さんからは、「素敵なご夫婦ですね。美しく老いる理想だと思います。人生100年時代と言われますが、60歳定年だとすると、僕はあと40年あります。老年の時間をどのような彩りを添えるか。個人的に気になっています。ライフワーク、これだけは続けていることはありますか」というのですが。

bp ないね(笑)。

――あと、40代の音楽家の方は、「お二人の写真が二人とも口角が上がって、自然な感じ。構図が好き。有名になられていると思うけど、ブレないような芯の強さがありそう。服の赤の色がさし色で、気になるから自分も取り入れることにした。うちもリンクコーデをやってみたらと想像してみたけど、お腹のあたりがもぞもぞして変な気持ちになった」と。

 50代の宿の女将さんは、「おしゃれだなあと憧れています。原色とモノトーンをとても上手に組み合わせられていて、年齢ならではの上品さを引き出されていますね。普段からファッションの話を夫婦でなさるのかなあなんて、聞いてみたいです。洋服屋さんに夫婦で行く時に、リンクコーデを意識しての服選びのコツってありますか」。

 20代のOLの方は、「時代という流れから飛び出した、流行り廃りがない不思議なファッションだと思います。双子コーデとか、全く同じ服でコーデするのが、近年流行しましたが、全く同じではなく、シンクロしたように、おしゃれするというのがとても素敵ですよね。若い世代もぜひ、マネしたいです。毎日どんなふうに服を決めているのか、買い物を二人で行くのか、ファッション帳みたいなものをつけているのか。こんなカップルになりたいと思っている人はたくさんいると思います。あんな笑顔の夫婦になりたい。笑顔がとっても素敵です。目から元気がもらえるファッションだなあといつも思っています。何歳になってもファッションを楽しんでいいんだという楽しい気持ちが伝わります」。という、みなさんのご感想なんですけど。どうですか、いろんな世代、20代から同世代まで。こういう話を聞いて。

b 大変だなと思うね。ありがたいよねえ。

p とにかくありがたい。うれしいよね。

――何がすごいって、二人を見ていると、みんな、真似したくなる。なんか、やってみようかという。やっぱり、アクションを起こさせるということが一番の影響力だと思いますね。

bp ほんとに、ありがたい。

「一度しかない人生だから、楽しまなきゃ」

――今、すごく、時代的に、SNSが出てきていて、全く知らないところに住んでいる人が脚光を浴びたりとか。ほんとに影響がすごいじゃないですか。波及効果が速いし、情報が一人歩きしちゃうこともあるじゃないですか。そのいい例として、みなさんから、絶賛されていて、みなさんを幸せにしているじゃないですか。これは、どうですか。うれしくもあり、ある意味、恐ろしくもあるじゃないですか。

bp うんうんうん(深くうなずく)。

――ほんとに、一瞬にして、人生が激変してしまう。

p そんなに影響力があるかと思うと、ほんとにね、怖いと思うところもあるけれども。

――ただ、夢だったことも実現するかもしれませんしね。たとえば、どこに住んでいても、洋服なんてなかなかねと言ったって、誰が見ているかわからない。発信することによって、遠くに住んでいる人が応援してくれるかもしれないし。

b そうですね。今の時代。けっこう、どこに住んでいても、発信されると、情報として入ってくるので。いろんな情報が入ってくると、面白いですよね。自分でも参考になるし。

――まあ、だから、怖くもあり、ありがたくもあるけど、この情報の、いろんな人たちが見てくれていて、思わぬことが起きるということは、実感として、こういう経験ができる人はそんなにいないと思うんですけど。実際に、1年もたたないうちに、60万人の人が自分のフォロワーになってくれているということに関して、今、率直に、この現象をどうとらえます?

bp (感慨深く沈黙して)

b ありがとうございます、しかないんだけれども。ほんとに、幸いなことに、いいコメントをいっぱいいただいているので、励みになっているので、突然のことで、プライバシーも半分ないところもあるんだけれども。悪いこともいいこともあるんでしょうけど。こういう体験ができることってないので、受け入れて、ありがとうございますと言うしかないかなあ。

――こういうことが起きる人生と、何もなく平坦な、それはそれで幸せなんですけど。

p そうそうそうそう。

――こういう人生が大変化するような経験をなさった二人は、どうですか。

b ねえ、未知の世界だよね。

p もう、ねえ。ただただ、びっくりだよね。

インスタ人気から波及して、本を出版した二人。思わぬ反響にとうれしくもあり、戸惑いもある 撮影/中原 幸 
インスタ人気から波及して、本を出版した二人。思わぬ反響にとうれしくもあり、戸惑いもある 撮影/中原 幸 

――世の中で、本が出したいとか、取材を受けたいとか、そういう人たちがいっぱいいる中で、予期せぬことが実現できちゃうんですものね。たぶん、これから、海外に呼ばれたりとか、行きたかった旅とか、どこかから、船で世界一周されませんか、というような話が来るかもしれないじゃないですか(笑)。

p いやいやいや(笑)。

――今までだったら夢のまた夢よと思っていたことも、実現するかもしれない。誰もができないけれども、真っ当に生活していれば、起きることなんじゃないかなと思うんですが。

p 本になるなんて、まさに、考えもしなかった、思いもしなかったことが。

b  インスタで普通にやっていたことが、こういうふうに広まって、ありがたいというのと、本とか出していただいたので、正直言って、自分たちの力じゃなくて、みなさんの力で出していただいたので。

p 注目されなければ、こんなこともなかっただろうし。

b  ありがたいなあと。何もできない自分たちを。

 自分たちの力じゃないからね。

b そうそうそう。自分たちは何でもやってきました、どうだということでもないし。作っていただいた方、注目していただいた方のおかげなので、このままでいいのかしらというのと、ありがとうございますというのと、声かけられちゃって、プライバシーも半分ないところもあるんだけど。それはそれで、一度しかない人生を、このようにしてもらったんだから、楽しまなきゃいけないなと。だから、ありがとうございますという気持ちです。かっこつけていうと、ありがたいなあと。

p ありがたい。

――明らかに、こういう経験をすると、今後の人生は変わります?

bp どうだろう。

p 変わらないかも。

b  インスタに関しては、もうちょっと広まるかもしれないし、収縮するかもしれないけど、それはそれで広まったらありがたいし、おさまったらおさまったで別のことをするかもしれないし。

――それが素晴らしいですね。私が思うに、二人の魅力は、ほんとに自然体。インスタで爆発的に有名になって、エラそうになるわけでもなく、相変わらずの二人がいて。すごく支持される理由がわかるなあと。

p なんだろう。二人が若かったら、こんなになんなかったと思うんですよ。ねえ。こういう年代の夫婦だから、共感とか得てもらったりとか。そういう幸せな気持ちになってもらったりとかできるんだろうけど。

――なんか、目指すものがあるというのがいいですよね。こうなりたいって、みんなが思えるものがある。自分たちと同世代だったら、間に合わない気がするし、比べてしまうし、別物として見るじゃないですか。でも、自分たちも今から頑張れば、そうなれるかもとか、思えるところがいいですよね。これからもお幸せに。お幸せをみなさんに。

bp 幸せでいなくちゃね(笑)。

11月22日、いい夫婦の日にちなんで、二人が思う「いい夫婦」のイメージの写真で、インスタに投稿してくれるとのこと。

その二人のインスタグラム「bonpon511」は、こちら

2016年12月4日にmay_59 娘さんにすすめられて始めたインスタグラムが、話題を集めて、現在、フォロワー数60万人以上。白髪、メガネの60代夫婦。bonとpon。

bon(夫、62歳)秋田県出身。広告代理店勤務。今年春に定年退職。

pon(妻、61歳)千葉県出身。専業主婦。

二人のリンクコーデ(ペアルックとは違い、一部の色、柄、素材を合わせたり、靴やメガネのアイテムをそろえて、リンク、つながりをもたせたコーディネートのこと)が大評判になり、多くのファンを持つ。

アカウント名の@bonpon511は、二人の子供の頃からの呼び名bonとponに、二人の結婚記念日5月11日の511をつけたもの。

その4につづく

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その2はこちら

プロインタビュアー、元女性誌編集者

著書『人見知りさんですけど こんなに話せます!』(最新刊)、『1万人インタビューで学んだ「聞き上手」さんの習慣』『みんなひとみしり 聞きかたひとつで願いはかなう』。雑誌編集者として20年以上のキャリア。大学時代から編プロ勤務。卒業後、出版社の女性誌編集部に在籍。一万人を超すインタビュー実績あり。人物、仕事、教育、恋愛、旅、芸能、健康、美容、生活、芸術、スピリチュアルの分野を取材。『暮しの手帖』などで連載。各種セミナー開催。小中高校でも授業を担当。可能性を見出すインタビュー他、個人セッションも行なう。

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