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北朝鮮が米本土東海岸に到達可能な弾道ミサイルを発射

JSF軍事/生き物ライター
(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 11月29日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射しました。防衛省と海上保安庁の発表によると、午前3時18分に発射され午前4時11分に日本海へ着水、53分間飛行。水平距離約1000kmを飛翔、最大到達高度は4000km以上の極端な山なり軌道(ロフテッド軌道)とされています。

 韓国軍統合参謀本部の発表では水平距離960km・最大到達高度4500kmで、これを基にしたアメリカの物理学者デビッド・ライト博士の分析では、通常軌道で発射した場合は射程1万3千kmに達しアメリカ東海岸に到達可能と推定されました。これまで発射された北朝鮮の弾道ミサイルで最も高い性能を発揮した事になります。

 またミサイルは3つの部分に分かれたと伝えられています。レーダーに3つの物体が映ったとすると、2段式弾道ミサイルの2段+弾頭の3つの部分が捕捉されたと考えることが出来ます。3段式の場合は3段+弾頭の4つになります。現段階で判明している情報からは、火星14号(2段式)の能力向上型ではないかと思われます。あるいは新しい名前が与えられるかもしれません。

※追記:昼12時30分に北朝鮮が重大報道を行い「新型ICBM火星15号の発射試験に成功した」と声明を発表しました。更に労働新聞には「9軸自走発射台車」という文言が書かれており、移動式発射台は9軸18輪の新型であり100%国産化に成功した、とありました。従来の北朝鮮の移動発射台は最大のもので8軸16輪の車両でしたので、火星14号よりも大きく重い新型ミサイルの為に用意されたと考えらます。

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人戦闘兵器、オスプレイなど、ニュースに良く出る最新の軍事的なテーマに付いて解説を行っています。

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