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じゃがいも1袋で50円!もったいない野菜を新幹線で運ぶ産地直送採れたて野菜フェア、東京駅で30日まで

井出留美食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)
新幹線で運ぶ「産直新鮮!採れたて野菜フェア」が東京駅で30日まで開催(筆者撮影)

味は同じなのに、規格から外れたという理由で出荷されない規格外野菜。生産調整のために畑に捨てられる野菜もある。これらは、日本の年間の食品ロス646万トンにはカウントされていない。

そんな「もったいない野菜」を新幹線で産地から東京駅まで直送し、マルシェで販売したり、レストランのメニューとして提供したりする取り組みが、2018年9月20日(木)より始まった。9月30日(日)までの11日間、開催される。

採れたてマルシェ、動輪の広場とグランルーフ2階デッキで開催

採れたてマルシェは、東京駅の動輪の広場(東京駅丸の内南口地下、改札外)で11時から20時まで、グランルーフ2階デッキ(東京駅八重洲口)で17時から21時まで開催される。

東京駅、動輪の広場(筆者撮影)
東京駅、動輪の広場(筆者撮影)

今回の野菜の生産地は福島県大玉村。主に、ネギ、人参、ごぼう、春菊、じゃがいも、玉ねぎ、ナスなどが販売される。運ぶために使われる新幹線は、なすの274号、福島県郡山(こおりやま)発11:39、東京駅着13:16。

天候などの理由や収穫状況によっては、ほかにも高速バスや宅配便で配送した野菜も販売する。

採れたて野菜レストランフェア、グランルーフで開催

採れたて野菜レストランフェアは、グランルーフと、グランルーフフロントレストランの18店舗で開催される。

じゃがいも1袋50円!

開催2日目の21日の15時半ごろ、早速、マルシェに行ってみた。

新幹線でもったいない野菜をお届け!産直新鮮、採れたて野菜フェア(筆者撮影)
新幹線でもったいない野菜をお届け!産直新鮮、採れたて野菜フェア(筆者撮影)

思ったよりこぢんまりしたスペースに、野菜や果物、パンや土産物などが並べられていた。

採れたて野菜マルシェ(筆者撮影)
採れたて野菜マルシェ(筆者撮影)

福島県の野菜は、この時は見当たらず、千葉県産のものが多かった。たとえば、落花生の「おおまさり」。

落花生のおおまさり(筆者撮影)
落花生のおおまさり(筆者撮影)

じゃがいもは、4個入って50円という驚異的な値段だった。大きいじゃがいもの場合は、2〜3個が袋詰めされている。

じゃがいも1袋50円(筆者撮影)
じゃがいも1袋50円(筆者撮影)

ピーマンは1袋100円。

ピーマン1袋100円(筆者撮影)
ピーマン1袋100円(筆者撮影)

長野県産のすだちは1袋180円。

長野県産のすだち、1袋180円(筆者撮影)
長野県産のすだち、1袋180円(筆者撮影)

しっかりとした葉のほうれん草、長野県産が、1わ250円。

長野県産ほうれん草250円(筆者撮影)
長野県産ほうれん草250円(筆者撮影)

福島県産のものがたまたま無かったからか、思ったより「規格外」という印象ではなかったが、お買い得な値段もあいまって、次々、手に取る人が現れていた。

マルシェの会場(筆者撮影)
マルシェの会場(筆者撮影)

これら野菜や果物の横では、東京駅や各地のお土産のお菓子なども販売されている。

お土産品の販売(筆者撮影)
お土産品の販売(筆者撮影)

場所はJR東京駅への入り口でもあり、地下鉄の丸ノ内線や東西線へ向かう道でもあるので、多くの人が行き交っていた。

マルシェの会場、動輪の広場(筆者撮影)
マルシェの会場、動輪の広場(筆者撮影)

既存の交通網を活用する素晴らしい取り組み

曲がった野菜などの規格外の野菜は、決められた箱に入らないから、という理由で出荷されず、われわれ消費者まで届かないことも多い。こうして直接、届けてくれて、購入できる機会があるのはありがたい。

産地から販売場所まで運ぼうとすると、物流コストがネックになる場合が多い。このように、既存の交通網を活用すれば、このための余分なコストがかからずに済む。しかも日本の新幹線は、ほぼぴったり決まった時間に到着する。

筆者は、フィリピンのルソン島の中心部(Tarlac:タルラック)で生産され、日本の厳格な基準のため規格外となって廃棄されるオクラを、首都のメトロマニラへ運ぼうとした時、輸送コストの問題にぶち当たった。距離にして120km。電車がない。高速バスはあるが、マニラの渋滞ぶりは半端なく、いったい、いつ届くのかがわからない。受け取るにも、いつまで待てばいいのかわからない。

日本に輸出されるはずだったが、規格外のためにフィリピンで廃棄される、新鮮なオクラ。この会社では、日本の規格外のために年間100トンから200トンの新鮮なオクラが廃棄されている(筆者撮影)
日本に輸出されるはずだったが、規格外のためにフィリピンで廃棄される、新鮮なオクラ。この会社では、日本の規格外のために年間100トンから200トンの新鮮なオクラが廃棄されている(筆者撮影)

仕方なく、既存の公共交通機関は諦めて、現地の宅配会社であるLBC(エルビーシー)にお願いし、Tarlac(タルラック)からの帰りの空(から)のトラックにオクラを載せてもらうことで解決した。

フィリピンのクーリエの会社、LBCが、社会貢献事業の一環として、規格外のオクラを44回、タルラックからマニラへ運んでくれた(関係者提供)
フィリピンのクーリエの会社、LBCが、社会貢献事業の一環として、規格外のオクラを44回、タルラックからマニラへ運んでくれた(関係者提供)

日本の規格は厳しいので、自然の農産物は規格外になりやすい。同様の取り組みが増え、規格外など、もったいない野菜の命が救われることを願っている。

<イベント概要>

イベント名:グランルーフ/グランルーフフロント5周年記念キャンペーン

      新幹線でもったいない野菜をお届け!産直新鮮!採れたて野菜フェア

期間:2018年9月20日(木)から30日(日)まで

場所:東京駅グランルーフ、グランルーフフロント、グランルーフ2階デッキ、動輪の広場

主催:東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)

JR東日本グループは生活サービス事業成長ビジョン(NEXT10)のもと、既存のビジネスに磨きをかけるとともに、事業の変革・創造を目指している。

企画協力:東京ステーションシティ運営協議会、株式会社鉄道会館

内容:

1、新幹線でもったいない野菜をお届け!採れたてマルシェ

2、新幹線でもったいない野菜をお届け!採れたて野菜レストランフェア

3、その他 グランルーフ2階デッキでイベントを同時開催

【グランルーフ5周年記念】新幹線でもったいない野菜をお届け!産直新鮮!採れたて野菜フェア

“もったいない野菜”をお届け 新幹線で運ぶ、「産直新鮮! 採れたて野菜フェア」を東京駅で開催 2018年9月13日 東日本旅客鉄道株式会社

食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け、誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。https://iderumi.theletter.jp/about

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