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30代前半で男性未婚率は47.1%、30代後半35.0%…未婚率の実情をさぐる(2019年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 色々な事情で、信念で、独身の人も少なくないが。(写真:アフロ)

法に基づいて男女間で夫婦(婚姻)状態となることを結婚と呼んでいる。昨今では結婚をせずに独身でいる人の増加が話題になっているが、その実情を、内閣府が2019年6月に発表した2019年版の「少子化社会対策白書」を基に、一次情報源となる国勢調査(2015年分)の確定報の公開値から確認していく。

次以降に示すのは2015年までにおける男女別、年齢階層別の未婚率のうち、結婚適齢期と世間一般に認識されている20代から30代について、5歳区切りでその動向を確認したもの。この未婚率に該当する者「未婚者」には、有配偶者(配偶者がいる人)はもちろんだが、死別者(結婚相手が亡くなって一人身の人)・離別者(結婚相手と離婚して一人身の人)も含まれていないことに注意。要は「まだ一度も結婚していない人の割合」。もっとも結婚状態になくとも異性と同棲している人は含まれる。また性交渉の有無とは無関係。

↑ 男性未婚率(年齢階層別)
↑ 男性未婚率(年齢階層別)
↑ 女性未婚率(年齢階層別)
↑ 女性未婚率(年齢階層別)
↑ 未婚率(男女別・年齢階層別)(2015年)
↑ 未婚率(男女別・年齢階層別)(2015年)

日本では晩婚化が問題視されているが、それとともに未婚率の増加もまた同軸の問題として浮かび上がっている。男性若年層の未婚率は元々高かったが、中年層以降、そして女性は全般的に1970年代あたりから上昇の動きを示し、現在に至っているのが確認できる。そして直近の2015年では、男女とも30歳未満まではわずかな上昇を続ける一方、30代では男性は多少ながらも減少し、変化の兆しが見受けられる。

前回調査の2010年分との比較をすると、「20代の増加」「30代の横ばい、一部で減少」が把握できる。男性30代は減少、女性も30代前半は0.1%ポイントの増加に留まっている。

↑ 男女未婚率変移(ppt)(2010年→2015年)
↑ 男女未婚率変移(ppt)(2010年→2015年)

元々中年層以降は未婚率が低かった、見方を変えれば伸びしろが大きかったこともあり、バブル時代あたりから未婚率は急激に上昇していた。前回の2010年分調査でも一部兆しはあったが、最新の調査分となる2015年分で明らかに頭打ちの動きを見せており、30代の未婚率はこのあたりが天井になりそうな雰囲気ではある。

年齢階層区分や男女比も含め、別調査の結果「「まだ若いから」が「相手が見つからない」へ…独身が独身でとどまる理由」などと見比べると、結婚のハードルの高まりや結婚意識の変化と、未婚率の関係を類推できよう。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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