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【二重国籍疑惑】戸籍開示を求める国民を「排外主義者」と呼ぶ蓮舫代表の排外ぶり

安積明子政治ジャーナリスト
国民を「差別主義者」「排外主義者」と呼んだ蓮舫氏は、国民に謝罪すべきだ(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

二重国籍疑惑は解明されるのか

民進党の蓮舫代表がとうとう、二重国籍疑惑について答えるという。18日に会見を開き、台湾籍がない証拠を示すらしい。これまでテレビのバラエティ番組(2016年11月18日放送TBS「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」)で自宅を公開し、寝室まで披露しながら、国籍についてはなぜか頑なに情報公開を拒んでいた蓮舫氏。13日に定例会見が開かれたので、さっそく参加した。

「戸籍謄本そのもの(の公開)は言っていない。(戸籍謄本は)すぐれてプライバシーに属するものである。差別主義者、排外主義者に言われてこれを公開することが絶対にあってはならないと思っている」

「戸籍そのものではなく、私自身がすでに台湾籍を有していないことがわかる部分、それをお伝えする用意がある」

最初に尋ねた産経新聞の記者に対し、このように答える蓮舫氏だったが、国籍問題に関する質問はこれで打ち切られた。「あとは18日で話す」ということだが、これでは完全に消化不良。

ブロック会議でも批判は続出

というよりも、蓮舫氏自身が消化不良のような表情だ。「最近は、お酒の量も増えたらしい」と、政治部の記者は言う。

それもそのはずで、11日から行われている都議選を総括するブロック会議でも、批判の声は出まくっているらしい。

「聞かれていることに答えず、説明が二転三転した。公人である以上、プライバシーが暴かれるのは当たり前だ」

定例会見の直後に開かれたブロック会議でも、こうした意見が出ている。それを蓮舫氏は黙って聞いていたらしい。もっとも反論しようがないが。

国民を「差別主義者・排外主義者」呼ばわり

だが気になるのは会見での「差別主義者・排外主義者」発言だ。野党第一党代表といえば、政権交代が起これば総理大臣になるかもしれないという地位。それが二重国籍でいいのかどうか、国民の大多数は納得していない。

というよりも、民進党は民主党時代を含めて「寛容」やら「多様性」やら言っているが、「総理大臣は二重国籍OKです!」と主張したことは一度も聞かない。そもそも戸籍の公開を求める国民を「差別主義者」や「排外主義者」と呼ぶのはいかがなものか。民進党の支持率は一桁だが、それならば民進党を支持しない9割以上の国民は「差別主義者」あるいは「排外主義者」なのか。

多くの国民が蓮舫氏に求めるのは別に「戸籍の公開」という行為そのものではない。国家を担う政治家にとって最も大事な属性である国籍をきちんと説明しようという、国民に対する誠意だ。

自分の不作為を棚に上げて、国民を批判するのはもっての他。内閣支持率が低下している今は、野党第一党にとって最大のチャンスなのに、それどころか全く逆方向に行こうとしている。もうそろそろいいんじゃないですか、代表選しても。

政治ジャーナリスト

兵庫県出身。姫路西高校、慶應義塾大学経済学部卒。国会議員政策担当秘書資格試験に合格後、政策担当秘書として勤務。テレビやラジオに出演の他、「野党共闘(泣)。」「“小池”にはまって、さあ大変!ー希望の党の凋落と突然の代表辞任」(ワニブックスPLUS新書)を執筆。「記者会見」の現場で見た永田町の懲りない人々」(青林堂)に続き、「『新聞記者』という欺瞞ー『国民の代表』発言の意味をあらためて問う」(ワニブックス)が咢堂ブックオブイヤー大賞(メディア部門)を連続受賞。2021年に「新聞・テレビではわからない永田町のリアル」(青林堂)と「眞子内親王の危険な選択」(ビジネス社)を刊行。姫路ふるさと大使。

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