Yahoo!ニュース

高級スタバが日本上陸! 素敵すぎる「ロースタリー」NYでも話題沸騰

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
ニューヨークでも話題沸騰のスタバ「ロースタリー」。(c) Kasumi Abe

重厚感のある木のドアを全身の力を込めて開いた瞬間、これまで見たこともない芸術的ともいえるコーヒーの世界が目の前いっぱいに広がる。

人々のざわざわとした活気、スタッフの笑顔、1杯ずつ丁寧に淹れられる香り高いコーヒー、フォカッチャの焼きたての香り――、一歩足を踏み入れた瞬間から、容赦なく五感をフルに刺激してくる。

作業所の焙煎機は忙しそうに稼働し、天井を見上げると焙煎豆が透明パイプの中を次々に運ばれ、私たちの手元へ――。まるで遊園地にでも来たかのようなワクワク感に包まれる。

この空間こそが、今世界で話題の「Starbucks Reserve Roastery」(スターバックス・リザーブ・ロースタリー)だ。

吹き抜けの2.5フロアにまたがり、23,000スクエアフィート(約2,140平方メートル)の広さを誇るNY店。(c) Kasumi Abe
吹き抜けの2.5フロアにまたがり、23,000スクエアフィート(約2,140平方メートル)の広さを誇るNY店。(c) Kasumi Abe

ニューヨーク店は、インダストリアルな雰囲気が色濃く残るマンハッタンの西端、ミートパッキング・ディストリクトに昨年12月オープン。広々とした自由な空気に魅了され、すぐそばにはグーグルやアップルストアなど大企業も軒を並べている。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
1階のメインバー、奥はキャスク(貯蔵庫)。(c) Kasumi Abe
1階のメインバー、奥はキャスク(貯蔵庫)。(c) Kasumi Abe

ニューヨーク店のメインセクション:

  • 2つのコーヒーバー(Main Barメイン、Experience Barエクスペリエンス)
  • カクテルバー(The Arriviamo Barアリビアーモ)
  • ミラノ発のベーカリー(Princi Bakeryプリンチ)
  • コーヒー豆やオリジナルグッズの販売コーナー
  • 焙煎の様子を見学できる作業所

スターバックスの豪華版とも呼べるスターバックス・リザーブ・ロースタリーは、2014年シアトルで誕生した。上海、ミラノ、ニューヨークと着々と世界展開中だ。そして5店舗目がいよいよ日本に上陸、東京の中目黒に2月28日にオープンする。

オープニングに先駆け話題沸騰のニューヨーク店を訪れ、ジェネラルマネージャーのラウル・アドーノさんに話を聞いた。

GMのラウルさん。(c) Kasumi Abe
GMのラウルさん。(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

■ 五感を刺激する体験と繋がりの場

── スターバックスは、自宅でもない会社でもない心地よいサードプレイス(第三の場所)をコーヒーと共に提供しているお店だと思います。スターバックス・リザーブ・ロースタリー(以下ロースタリー)のコンセプトはどのようなものでしょうか。

ロースタリーは、スターバックスが追い求めてきたコーヒーへの果てしない情熱:世界中から最高級の豆を厳選し、焙煎し、お客様に届けてきた功績、コーヒーのイノベーションへの探求――、へ敬意を表すために作られました。新たなアイデアが培われ、コーヒーの独創性や可能性の限界を押し上げる場所です。お客様にご提供したいと願っている究極の「体験の場」、そしてお客様と「繋がることができる場」として捉えています。

ロースタリーでは、目で鼻で舌で耳で手で刺激を受けるでしょう。卓越したインテリアに心踊る気持ちになるのはもちろんのこと、目の前で焙煎される様子や、パートナー(スタッフ)が1杯ずつ丁寧に淹れている様子、焼きたてパンやピザ、フレッシュなカクテルの香りに五感をそそられることでしょう。

スタッフは気さく。よく話しかけてくれる。(c) Kasumi Abe
スタッフは気さく。よく話しかけてくれる。(c) Kasumi Abe

── スタッフは笑顔に溢れ、大変活気がありますね。

スターバックスは創業以来、パートナーファースト(スタッフを最優先)という長いレガシーがあります。スターバックスが楽しくインスパイアされる意味深い職場になるように、パートナーの意見に耳を傾けてきました。1人ひとりの笑顔はそのような姿勢に起因しているのかもしれません。

制服もおしゃれ。個性のある帽子(ビーニー帽やフェドーラ帽など)は各自で選んでいるそうだ。(c) Kasumi Abe
制服もおしゃれ。個性のある帽子(ビーニー帽やフェドーラ帽など)は各自で選んでいるそうだ。(c) Kasumi Abe

コーヒーバーとアルコールバー、その違い

── それぞれのフロアにバーがあります。違いは何でしょうか。

ニューヨークのロースタリーには3つのバーがあります(1階のMain Bar、地下のExperience Bar、中2階のArriviamo Bar)。

1階入り口すぐの場所にあるのがMain Barです。ここではコーヒーマスターが、昔ながらのエスプレッソやおすすめドリンクをお作りします。

地下のExperience Barは、芸術と科学とクラフトの集合体とも呼べる希少でより特別なコーヒー体験をご提供する場所です。中2階(メザニン)のArriviamo Barではコーヒーを使った創作カクテルなどのアルコール類をお楽しみいただけます。

── どれにしようか迷うほどたくさんメニューがありますが、私のようなロースタリービギナーにおすすめのメニューは?

ロースタリーはコーヒー好きはもちろん、ビギナーのためにも親切な場所を目指しています。コーヒーマスターが、1人ひとりのお好みをお聞きした上で、最適のドリンクをご提案します。

それでも迷われたら「スターバックス・リザーブ・ブレンド」(Starbucks Reserve blends)のどれかをまずはお試しください。「スターバックス・リザーブ」とは、私たちが自信を持っておすすめする、世界中から厳選した希少価値の高いコーヒー豆のセレクションです。

Starbucks Reserve: Gravitas ($5.40)、Mortadella Sandwich($7.50)、Brioche($9.50)(c) Kasumi Abe
Starbucks Reserve: Gravitas ($5.40)、Mortadella Sandwich($7.50)、Brioche($9.50)(c) Kasumi Abe
ソラリーボードでは、この日焙煎されている豆やイベント情報などがわかる。(c) Kasumi Abe
ソラリーボードでは、この日焙煎されている豆やイベント情報などがわかる。(c) Kasumi Abe

── ニューヨーク店だけのオリジナルドリンクはありますか。

Espresso Sipping Ganache($9)とNitro Hopped Apricot Cold Brew($9.5)は、ニューヨーク店だけの特別メニューです。

── 中2階のThe Arriviamo Barのおすすめドリンクは?

ビール、ワイン、食前酒、クラシックカクテルのほか、ミクソロジストによるコーヒーやお茶を取り入れた独創的なカクテルがおすすめです。

エスプレッソショット入りEspresso Martini(左、$18)とBasil Hayden'sのバーボンBlack & White Manhattan($20)。(c) Kasumi Abe
エスプレッソショット入りEspresso Martini(左、$18)とBasil Hayden'sのバーボンBlack & White Manhattan($20)。(c) Kasumi Abe

店の主役とも言える2つの焙煎機

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

ロースタリーで特に見逃せないのは、店内に鎮座した2つの焙煎機(ロースターマシーン)。ここでは職人がコーヒー豆を焙煎している様子を間近で見ることができる。

職人は作業の合間に顧客と積極的にコミュニケーションを取り、作業工程について教えてくれたり、実際に豆を嗅いだり触ったりさせてくれる。意外と知られていない豆知識を知れる絶好の機会がここにある。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
焙煎前のコーヒー豆。(c) Kasumi Abe
焙煎前のコーヒー豆。(c) Kasumi Abe

── 店内には大小2つの焙煎機がありますが、違いは何でしょうか?

両方「スターバックス・リザーブ」の豆を焙煎しているのですが、向かって左側の大きい方(プロバット社G-120)は、世界中に届けられる豆専用、向かって右側の小さい方(プロバット社P-25)は、この店でご提供する豆専用です。

いつでも焼きたてのベーカリー

ミラノの本格ベーカリーとタイアップしたPrinci Bakeryコーナー。1日中焼きたてのパンやピザが楽しめる。(c) Kasumi Abe
ミラノの本格ベーカリーとタイアップしたPrinci Bakeryコーナー。1日中焼きたてのパンやピザが楽しめる。(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

おみやげ選びにも最適な物販コーナー

店内で焙煎された豆。ブラジル産、コロンビア産、ケニア産など世界各国からのものが集まる。(時期によって異なる)(c) Kasumi Abe
店内で焙煎された豆。ブラジル産、コロンビア産、ケニア産など世界各国からのものが集まる。(時期によって異なる)(c) Kasumi Abe
ピンバッジセット($29.95)、ワッペン($9.95)、オリジナルカップ($16.95)、アップサイクルのデニムジャケット($225)など。(c) Kasumi Abe
ピンバッジセット($29.95)、ワッペン($9.95)、オリジナルカップ($16.95)、アップサイクルのデニムジャケット($225)など。(c) Kasumi Abe

■ 東京、中目黒に2/28にオープン

── 東京店がいよいよオープンします。お店はどのような感じになるのでしょうか。

4階建ての新築ビルで、著名な建築家、隈研吾氏と、スターバックスのシニア・バイスプレジデントで、チーフ・デザイン・オフィサーのリズ・ムラーのコラボレーションによるものです。

インテリアは明るめの木目が特徴で、コーヒーの世界へ没頭できる特別な体験をしていただけるよう、日本らしい要素も取り入れたモダンと伝統が融合したすばらしいデザインになっています。

上2枚とも出典: Starbucks Reserve Roastery Tokyo
上2枚とも出典: Starbucks Reserve Roastery Tokyo

東京店にもCoffee Barのほか、Arriviamo BarやPrinci Bakeryなどが設けられます。コーヒーの品質、イノベーション、人同士の繋がりへのトリビュート空間になっています。

── 東京店と、世界に広がるほか4店との間に何か違いはありますか。

東京店は、一から建物の設計や建築を行った初のロースタリーです。お茶ライン、ティバーナの世界最大の広さを誇る拠点(Teavana tea bar)にもなります。

4階にはAMU東京の拠点「アム・インスピレーション・ラウンジ」(AMU Inspiration Lounge)がオープンします。コーヒーを飲みながらソーシャル活動をするためのイベントプラットフォームです。

国内初のスペシャルティコーヒー協会 (SCA) が認定するコーヒーマイスター(専門家)の養成所としての機能も持ちます。

── 最後に東京店のオープンを楽しみにしているスタバ・ファンへメッセージをお願いします。

ひとりのお客様、1杯のコーヒー、ひとつのコミュニティを大切にするというこれまでの取り組みや、(店と顧客、人同士の)繋がりを強化し、ポジティブなインパクトを与えうる拠点になることと思います。この夢のような体験の場を東京にオープンし皆さまと共有できることは、私たちの誇りでありこの上ない喜びです。どうぞ心ゆくまでお楽しみください。

Open 2019.02.28   

Starbucks Reserve Roastery Tokyo

153-0042 東京都目黒区青葉台2丁目19−23(MAP)

Instagram

  • オープニングは大変な混雑が予想されており、午前7〜9時は事前応募の「優先入場制」になる日がある。(詳細

(Text, Photos and Video by Kasumi Abe) 無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

安部かすみの最近の記事